論語、素読会

『徳』とは?|論語、素読会

「徳」とは人間が生まれながらに積み重ねていくもの。「帰」とは回帰するという意、自然におもむいていくという意。

民徳帰厚矣。
人民は自然に徳を重ねて厚みを増していくものだ。
民の徳厚きに帰す|「論語」学而第一09

「徳」は人が生まれながらに積み重ねていく体得したもの、人の道理など。

為政以徳、
政治を人の道理で行えば、
政を為すに徳を以てすれば|「論語」為政第二01

「徳」は道徳のこと。人が生まれながらに重ねていく徳性。

道之以徳、斉之以礼、有恥且格。
道徳によって導き、礼儀や儀礼を伝えて統制していくと、人民は自分を恥じて自らを省みて、自ずと正して善に向かっていくようになる。
之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば|「論語」為政第二03

私にとって「徳」についての最大の出会いは、安岡正篤先生の人間学講話「人物を創る」の巻頭の言葉です。この普遍的な考え方に感銘を受けて、人間学・中国古典を習い始めるきっかけになりました。

宇宙の本体は、絶えざる創造変化活動であり、進行である。その宇宙生命より人間が得たるものを「徳」という。この「徳」の発生する本源が「道」である。「道」とは、これなくして宇宙も人生も存在し得ない、その本質的なものであり、これが人間に発して「徳」となる。
これを結んで「道徳」という。よって「道徳」の中には宗教も狭義の道徳も政治もみな含まれている。しかもその本質は「常に自己を新しくする」ことである。殷の湯王の盤銘にいう「苟に日に新たに、日日に新たに、又日に新たなり」という言葉は、宇宙万物運行の原則であり、したがって人間世界を律する大原則でもある。
人はこの「道徳」の因果関係を探求し、その本質に則ることによって自己の徳(能力)を無限大に発揮することができるのである。

安岡正篤「人物を創る」プレジデント社