論語、素読会

孔子行る|「論語」微子第十八03

斉の景公は孔子を待遇しようと言った、季氏(のような待遇)に関してはただ私はどうしてもできない。季孟の間(の待遇を)以て、孔子を待遇しようと思うと。(後日)言うには、私は老いてしまった。登用することはできないと。孔子は去った。|「論語」微子第十八03

【現代に活かす論語】
待遇ではなく、リーダーの資質で判断する。

【解釈】

景公(けいこう) … 斉(せい)の君。名は杵臼(しょきゅう)。「論語」の登場人物|論語、素読会

季氏(きし) … 季孫氏(きそんし)。魯(ろ)の大夫、三桓(さんかん)(孟孫氏、叔孫氏、季孫氏)のひとつ。魯の襄公のころから大臣職を独占し、襄公を無視して権力を欲しいままにした。

斉の景公、孔子を待ちて曰わく、季氏の若きは、則ち吾能わず。季孟の間を以て之を待たん。曰わく、吾老いたり。用うること能わざるなりと。孔子行る。|「論語」微子第十八03
斉景公待孔子曰、若季氏、則吾不能。以季孟之間待之。曰、吾老矣。不能用也。孔子行。

「待」(まつ)はもてなす、接待する。「若」(ごとき)は…に関しては。「則」(すなわち)はただ。「能」(あたう)はどうしても…しない。

斉の景公は孔子を待遇しようと言った、季氏(のような待遇)に関してはただ私はどうしてもできない。季孟の間(の待遇を)以て、孔子を待遇しようと思うと。(後日)言うには、私は老いてしまった。登用することはできないと。孔子は去った。

【解説】

文献を参考に解釈すると、斉の景公の言葉の前半と後半には時間の差があるようです。景公が直接孔子に話した内容ではなく、孔子が伝え聞いたようです。魯の国の大夫、季氏(季孫氏)と同等の待遇は無理だが、季孫氏と(恐らく待遇が低い)孟孫氏の間くらいの待遇であれば可能であるというのが前半です。そしてこの後に、理由は分かりませんが、老いを理由に登用ができないと心変わりをしたという、この景公の様子を聞いて孔子は斉の国から去ったということのようです。


「論語」参考文献|論語、素読会
微子第十八02< | >微子第十八04


【原文・白文】
 斉景公待孔子曰、若季氏、則吾不能。以季孟之間待之。曰、吾老矣。不能用也。孔子行。
<齊景公待孔子曰、若季氏、則吾不能。以季孟之間待之。曰、吾老矣。不能用也。孔子行。>

(斉の景公、孔子を待ちて曰わく、季氏の若きは、則ち吾能わず。季孟の間を以て之を待たん。曰わく、吾老いたり。用うること能わざるなりと。孔子行る。)
【読み下し文】
 斉(せい)の景公(けいこう)孔子(こうし)を待(ま)ちて曰(い)わく、季氏(きし)の若(ごと)きは、則(すなわ)ち吾(われ)能(あた)わず。季孟(きもう)の間(あいだ)を以(もっ)て之(これ)を待(ま)たん。曰(い)わく、吾(われ)老(お)いたり。用(もち)うること能(あた)わざるなりと。孔子(こうし)行(さ)る。


「論語」参考文献|論語、素読会
微子第十八02< | >微子第十八04


※Kindle版