孔先生がおっしゃった、道を歩いているときに聴いて、そのまま出会った人に話してしまうことは、人間が生まれながらに積み重ねていく「徳」を捨てるようなものだ。|「論語」陽貨第十七14
【現代に活かす論語】
人に聞いたよいことを、そのまま伝えてしまうことは、学びの機会を自ら棄てているようなものです。
【解釈】
子曰わく、道に聴きて塗に説くは、徳を之れ棄つるなり。|「論語」陽貨第十七14
子曰、道聴而塗説、徳之棄也。
「道」(みち)はみち。『道』とは?|論語、素読会 「塗」(みち)はみち、道路。「説」(とく)は言う、語る、のべる。「徳」は人間が生まれながらに積み重ねていくもの。『徳』とは?|論語、素読会 「棄」(すつ)は投げすてる。
孔先生がおっしゃった、道を歩いているときに聴いて、そのまま出会った人に話してしまうことは、人間が生まれながらに積み重ねていく「徳」を捨てるようなものだ。
【解説】
辞書や文献によると「塗」は「途」だそうです。道で聴いた後、そのまま途中で他の人に伝えるという場面を思い浮かべればいいのでしょう。自分の中で咀嚼しないで人に伝えること。人から聞いたことを自分の考えのように伝えてしまうこと。これは徳性を重ねることに反すると孔子は伝えます。これは学びの機会を自ら棄てているような行為だからだと思います。
「論語」参考文献|論語、素読会
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【原文・白文】
子曰、道聴而塗説、徳之棄也。
<子曰、道聽而塗說、德之棄也。>
(子曰わく、道に聴きて塗に説くは、徳を之れ棄つるなり。)
【読み下し文】
子(し)曰(のたま)わく、道(みち)に聴(き)きて塗(みち)に説(と)くは、徳(とく)を之(こ)れ棄(す)つるなり。
「論語」参考文献|論語、素読会
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