論語、素読会

其の言の其の行に過ぐるを恥ず|「論語」憲問第十四29

孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人(君子)は自分のことばが自分の行動をこえることを恥じる。|「論語」憲問第十四29

【現代に活かす論語】
自分の行いを超えることば、行動を伴わないことばを恥じる。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

04:05「憲問第十四」後半22 – 46 素読
2024.1.12収録

【解釈】

子曰わく、君子は其の言の其の行に過ぐるを恥ず。|「論語」憲問第十四29
子曰、君子恥其言而過其行。

「君子」(くんし)は人の上に立つ立派な人。「其」(その)は自分。「言」(げん)はことば。「行」(おこない)は行動。「過」(すぐ)は妥当な程度をこえる。

孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人(君子)は自分のことばが自分の行動をこえることを恥じる。

【解説】

「言行一致」について孔子はくり返し語ります。特にことばばかりで行動が伴わないことがないよう、さまざまな表現で我々に伝えます。
自分の言葉を恥ることがなければ、その言葉を実行することは難しい。|「論語」憲問第十四21
まず実行する、ことばはその後です。|「論語」為政第二13
昔のひとが軽々しく口に出さなかったのは、実行がなかなか伴わないことを恥じたからである。|「論語」里仁第四22
このように孔子の学び舎では、行動が伴ってこその学びでした。恐らく弁舌が立つものが多かったのか、言葉数が多いものが目立ちがちな中で、どうしてもことばが出てこない人物についても、評価する章句が存在します。このような章句に出合うと、孔子が弟子たちの性格を気遣いながら、必死に思いを伝えていた様子を感じることができます。
私が回と一緒に話していても、彼は大人しく静かにしているだけで愚かな人物のようだ。ところが、私の面前を離れた彼の私生活を観察してみると、私の教えを充分に啓発している。|「論語」為政第二09
意思が強く屈しなく、寡黙で飾り気ない人は、思いやりの心に身を置いて生きることに近い。|「論語」子路第十三27


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四28< | >憲問第十四30


【原文・白文】
 子曰、君子恥其言而過其行。

(子曰わく、君子は其の言の其の行に過ぐるを恥ず。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は其(そ)の言(げん)の其(そ)の行(おこない)に過(す)ぐるを恥(は)ず。


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四28< | >憲問第十四30


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