論語、素読会

其の位に在らざれば、其の政を謀らず|「論語」泰伯第八14

孔先生がおっしゃった、その地位に居なければ、その職務に口出しをするべきではない。(その仕事に質問するべきではない。|「論語」泰伯第八14

【現代に活かす論語】
その地位に居ないものが、職務に口出しすべきではない。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

07:40 「泰伯第八」後半11-21 素読
2022.2.19収録

【解釈】

子曰わく、其の位に在らざれば、其の政を謀らず。|「論語」泰伯第八14
子曰、不在其位、不謀其政。

「位」(くらい)は地位。「謀」(はかる)は質問する。「政」(まつりごと)は集団生活の事務、家政。

孔先生がおっしゃった、その地位に居なければ、その職務に口出しをするべきではない。(その仕事に質問するべきではない。

【解説】

文献によれば、この章句は政治に限ったことではないと、広く意味を捉えるべきだろうといいます。よって「政」(まつりごと)は広く職務のこと、「謀」(はかる)は口出しをすると解釈します。
この孔子の考えは現代の実社会でも充分通用するのではないでしょうか。

其の位に在らざれば、其の政を謀らず|「論語」憲問第十四27」に全く同じ章句が収録されています。泰伯第八の篇は、主に任官を目指して孔子門下で学び始めて比較的間もない弟子を対照している様子が伝わってきます。対して憲問第十四の篇では、主に任官して主君に仕える者の心得をより具体的に伝えているので、任官が近い弟子たちが対象であると考えます。この二篇で重ねて登場するほど重要な章句と考えます。

その上で、今一度この章句を味わうと、単に組織内での口出しということではなく、普段の生活において、他人へのお節介、部外者が中傷することへの戒めにも思えてきます。


「論語」参考文献|論語、素読会
泰伯第八13< | >泰伯第八15


【原文・白文】
 子曰、不在其位、不謀其政。

(子曰わく、其の位に在らざれば、其の政を謀らず。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、其(そ)の位(くらい)に在(あら)らざれば、其(そ)の政(まつりごと)を謀(はか)らず。


「論語」参考文献|論語、素読会
泰伯第八13< | >泰伯第八15


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