論語、素読会

自ら辱めらるること無かれ|「論語」顔淵第十二23

子貢が「友人」について尋ねた。孔先生がおっしゃった、誠実にさとし、心をこめて友人をみちびき、聞き入れられなければすぐに止める。自らを辱めるようなことになってはいけない、と。|「論語」顔淵第十二23

【現代に活かす論語】
忠告は聞き入られなければすぐに止める。自分が損をするまですることはありません。

誠実に諭し、心をこめて導くことを「忠告」といいます。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

04:45「顔淵第十二」後半14 – 24 素読
2023.06.15収録

【解釈】

子貢(しこう) … 姓は端木(たんぼく)、名は賜(し)、字は子貢(しこう)。孔子より三十一歳若い。「論語」の登場人物|論語、素読会

子貢友を問う。子曰わく、忠やかに告げて善く之を道き、不可なれば則ち止む。自ら辱めらるること無かれ。|「論語」顔淵第十二23
子貢問友。子曰、忠告而善道之、不可則止。無自辱焉。

「忠」(まめやか)は誠意あるさま。『忠』とは?|論語、素読会 「告」(つげる)は教えるさとす。「善」(よく)はうまく、心をこめて。「道」(みちびく)は指導する。「則」(すなわち)はすぐに、…するやいなや。

子貢が「友人」について尋ねた。孔先生がおっしゃった、誠実にさとし、心をこめて友人をみちびき、聞き入れられなければすぐに止める。自らを辱めるようなことになってはいけない、と。

【解説】

「忠告」とはまさにこのことをいうのでしょう。自分を辱めることになるというのはどういうことでしょうか。相手にしつこくすることで逆に叱られたり罵られたりして、自分の面目を潰されることをいうのだと思います。忠告もほどほどにしなければ自分に返ってくることもあるということです。現代にも通ずるアドバイスだと思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
顔淵第十二22< | >顔淵第十二24


【原文・白文】
 子貢問友。子曰、忠告而善道之、不可則止。無自辱焉。

(子貢友を問う。子曰わく、忠やかに告げて善く之を道き、不可なれば則ち止む。自ら辱めらるること無かれ。)
【読み下し文】
 子貢(しこう)友(とも)を問(と)う。子(し)曰(のたま)わく、忠(まめ)やかに告(つ)げて善(よ)く之(これ)を道(みちび)き、不可(ふか)なれば則(すなわ)ち止(や)む。自(みずか)ら辱(はずかし)めらるること無(な)かれ。


「論語」参考文献|論語、素読会
顔淵第十二22< | >顔淵第十二24


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