論語、素読会

巧言は徳を乱る|「論語」衛霊公第十五27

孔先生がおっしゃった、口先だけのことばは「徳」よい行いやそれを行う能力を損なう。小さなことを我慢することができなければ、大きな計略をし損ねるのである。|「論語」衛霊公第十五27

【現代に活かす論語】
口先だけのことばは、その人の品位を乱すだけで無く、そのような目先の細かいことを取り付くろうような態度は、大きな計画をし損なう。

【解釈】

子曰わく、巧言は徳を乱る。小忍ばざれば、則ち大謀を乱る。|「論語」衛霊公第十五27
子曰、巧言乱徳。小不忍、則乱大謀。

「巧言」(こうげん)は表面はたくみだが口先だけのことば。「徳」(とく)は人格的な品位、品性。生まれながらにしてひとが積み重ねていく善い行い、そしてそれを行う能力。『徳』とは?|論語、素読会 「乱」(みだれる)はかき乱す、秩序をくずす。「忍」(しのぶ)は我慢して見逃す、黙認する。「則」(すなわち)は…は(〜なのである)。「謀」(ぼう)は計画、計略。

孔先生がおっしゃった、口先だけのことばは「徳」よい行いやそれを行う能力を損なう。小さなことを我慢することができなければ、大きな計略をし損ねるのである。

【解説】

「巧言」はたびたび取り上げられます。「巧言令色、鮮なし仁|「論語」学而第一03」「巧言令色足恭なるは、左丘明之を恥ず、丘も亦之を恥ず|「論語」公冶長第五25
目の前のことを取り繕うような態度、こだわる態度から、巧言・その場しのぎのことばが発生するのは、小さなことを我慢できないことに起因すると孔子は考えています。そのような日々の行いでは、大きな計略、計画を達成することができないと。
「巧言」はそれほど自重しなければならないことなのです。巧言は大謀を乱ると孔子は伝えています。


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五26< | >衛霊公第十五28


【原文・白文】
 子曰、巧言乱徳。小不忍、則乱大謀。
<子曰、巧言亂德。小不忍、則亂大謀。>

(子曰わく、巧言は徳を乱る。小忍ばざれば、則ち大謀を乱る。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、巧言(こうげん)は徳(とく)を乱(みだ)る。小(しょう)忍(しの)ばざれば、則(すなわ)ち大謀(たいぼう)を乱(みだ)る。


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衛霊公第十五26< | >衛霊公第十五28


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