論語、素読会

君子は諸を己に求む|「論語」衛霊公第十五21

孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーはこれ(過ちの原因)を自分に求める。君子以外の人、一般の人はこれ(過ちの原因)を他人に求める。|「論語」衛霊公第十五21

【現代に活かす論語】
人の上に立つ立派なリーダーは、自責思考であるべきです。

人の上に立つ立派なリーダーは、間違いをまず自分自身の中に探します。それ以外の人は、他人の責任にします。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

06:10「衛霊公第十五」前半01 – 22 素読
2024.4.23収録

【解釈】

子曰わく、君子は諸を己に求む、小人は諸を人に求む。|「論語」衛霊公第十五21
子曰、君子求諸己、小人求諸人。

「君子」(くんし)は徳の高いりっぱな人物、人の上に立つ立派な人、リーダー。「諸」(これ)はこれ。

孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーはこれ(過ちの原因)を自分に求める。君子以外の人、一般の人はこれ(過ちの原因)を他人に求める。

【解説】

「諸」は何を指すのでしょうか。孔子とその門人たちが目指す人物像である「君子」は何を己に求めるのか。ロジカルシンキングの自責思考を元に考えてみます。「諸」=「過ちの原因」とし、発生した問題の原因をできるだけ自分の行動に求めていく考え方です。自責と他責そして仕方が無いことに原因を分け問題解決を求めます。原因を自責に多く求められれば行動を見直すなど問題解決の糸口を見つけることが可能です。逆に原因を他責にしてしまうと、原因が分からずに同じミスを繰り返します。君子は自責思考で小人は他責思考であるという解釈です。
「諸」を敢えて省いて、「子曰わく、君子は己に求む、小人は人に求む。」と解釈する文献もあります。

【一緒に考えてみよう】

「諸」は何を指すのでしょうか。身近な出来事を思い起こして、自分に求めるべきものだが、つい他人に求めてしまうこと。他人に求めがちだが、自分に求めるべきもの。これを語り合ってみるといいと思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五20< | >衛霊公第十五22


【原文・白文】
 子曰、君子求諸己、小人求諸人。

(子曰わく、君子は諸を己に求む、小人は諸を人に求む。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は諸(これ)を己(おのれ)に求(もと)む、小人(しょうじん)は諸(これ)を人(ひと)に求(もと)む。


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五20< | >衛霊公第十五22


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