論語、素読会

君子人か、君子人なり|「論語」泰伯第八06

曾子が言った、十五、六歳の身寄りのない子の将来を託せるひと、一国の運命を託すことができるひと、国家存亡の危機に臨んでも(志を)争い取られない。
(こういう人こそ)君子といっていいだろうか。君子といえるだろう。
|「論語」泰伯第八06

【現代に活かす論語】
十五、六歳の身寄りのない子どもの将来を託せるひと、企業・組織の運命を託すことができるひと、企業の危機に際しても志を失わないひと。こういう人こそリーダーというべきだろう。

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00:00 章句の検討

11:15 「泰伯第八」前半01-10 素読
2022.2.8収録

【解釈】

曾子(そうし) … 姓は曾、名は参(しん)、字は子輿(しよ)。孔子より46歳若い。孔子の教えを伝えた第一人者と言われています。

六尺は十五、六歳以下のことで、身長で年齢を示した。周制の一尺はわが七寸二分(二十一センチ半)ぐらいだから、六尺は四尺三寸強(一メートル三十センチ弱)である。又年齢の二歳半を一尺という。

新釈漢文大系 論語 吉田賢抗著 明治書院刊
曾子曰わく、以て六尺の孤を託すべく、以て百里の命を寄すべく、大節に臨んで奪うべからざるなり。君子人か、君子人なり。|「論語」泰伯第八06
曾子曰、可以託六尺之孤、可以寄百里之命、臨大節而不可奪也。君子人与、君子人也。

「孤」(こ)は孤児(みなしご)。「百里之命」(ひゃくりのめい)は百里四方の諸侯の国の運命。「託」(たくす)は委任する、人に頼んでしてもらう。「寄」(きす)は思いを託す、任せる、あずける。「大節」(たいせつ)は大事件、国の安危をかけた大事件。「奪」(うばう)は争い取る。「与」(か)は疑問の助字。「也」(なり)は断定の助字。「君子」(くんし)は人の上に立つ立派な人。

曾子が言った、十五、六歳の身寄りのない子の将来を託せるひと、一国の運命を託すことができるひと、国家存亡の危機に臨んでも(志を)争い取られない。
(こういう人こそ)君子といっていいだろうか。君子といえるだろう。

【解説】

どのような場面で誰に向かって言った言葉なのでしょうか。孔子の教えを伝えた第一人者と言われた曾子の力強いメッセージを感じます。


「論語」参考文献|論語、素読会
泰伯第八05< | >泰伯第八07


【原文・白文】
 曾子曰、可以託六尺之孤、可以寄百里之命、臨大節而不可奪也。君子人与、君子人也。
<曾子曰、可以託六尺之孤、可以寄百里之命、臨大節而不可奪也。君子人與、君子人也。>

(曾子曰わく、以て六尺の孤を託すべく、以て百里の命を寄すべく、大節に臨んで奪うべからざるなり。君子人か、君子人なり。)
【読み下し文】
 曾子(そうし)曰(い)わく、以(もっ)て六尺(りくせき)の孤(こ)を託(たく)すべく、以(もっ)て百里(ひゃくり)の命(めい)を寄(き)すべく、大節(たいせつ)に臨(のぞ)んで奪(うば)うべからざるなり。君子(くんし)人(じん)か、君子(くんし)人(じん)なり。


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