論語、素読会

君子は矜にして争わず|「論語」衛霊公第十五22

孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーは厳粛でおごそかにして争わない。大勢の仲間といても徒党を組まない。|「論語」衛霊公第十五22

【現代に活かす論語】
人の上に立つ立派なリーダーは、厳粛にして争わず、大勢の仲間の中で党派を作らない。

【解釈】

子曰わく、君子は矜にして争わず。群して党せず。|「論語」衛霊公第十五22
子曰、君子矜而不争。群而不党。

「君子」(くんし)は徳の高いりっぱな人物、人の上に立つ立派な人、リーダー。「矜」(おごそか)は厳粛な、おごそか。「群」(ぐん)は仲間、多くの、もろもろの。「党」(とう)は利害関係をもとにして結成された集団。

孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーは厳粛でおごそかにして争わない。大勢の仲間といても徒党を組まない。

【解説】

この章句から受けとることができる孔子の考えと同様の章句があります。まず前半の「矜にして争わず」に対しては、「君子は泰にして驕らず。小人は驕りて泰ならず。|「論語」子路第十三26」こちらの章句でおごそかについて知ることができます。また争わずの具体的な例はこちらの章句でその一例を知ることができるでしょう。「君子は争う所無し|「論語」八佾第三07
後半の「群して党せず」と同様な考え方は、こちらの章句を挙げることができます。「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず|「論語」子路第十三23」。
おごそかで争わず、大勢の中でも特定の利害を共にするグループを作らないという君子像は、無口で人と距離を取るようなイメージかというと、少し違うように思います。孔子は自身を君子であるとはいいませんが、こちらの章句ではエネルギッシュな孔子の姿を通して、君子の姿を想像することができます。「孔先生は君主の先祖の霊を祀った廟で祭礼にたずさわったとき、儀式について一々先輩に質問した。ある人が言った、誰かが鄹の田舎役人の子が祭礼の儀式に通じた人だと評判したが、廟での祭礼に際してあれこれ聞いてばかりではないか。孔先生がこれを聞いておっしゃった、これこそが「礼」である。(太廟での大事な祭礼において、間違いがないように確認をして行うことが敬意を払う礼儀というものだ)|「論語」八佾第三15


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五21< | >衛霊公第十五23


【原文・白文】
 子曰、君子矜而不争。群而不党。
<子曰、君子矜而不爭。羣而不黨。>

(子曰わく、君子は矜にして争わず。群して党せず。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は矜(おごそか)にして争(あらそ)わず。群(ぐん)して党(とう)せず。


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五21< | >衛霊公第十五23


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