孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーは生涯を終えて名前が称えられないことを憂える。|「論語」衛霊公第十五20
【現代に活かす論語】
人の上に立つ立派なリーダーは、死後自分の行いが評価されるかどうかを心配する。功績が後の代にも評価されるものであるか考える。
『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討
05:25「衛霊公第十五」前半01 – 22 素読
2024.4.23収録
【解釈】
子曰わく、君子は世を没えて名の称せられざるを疾む。|「論語」衛霊公第十五20
子曰、君子疾没世而名不称焉。
「君子」(くんし)は徳の高いりっぱな人物、人の上に立つ立派な人、リーダー。「没世」は生涯を終える。死ぬ。「称」(しょうす)は賞賛する。「疾」(にくむ)は物事を憂える。
孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーは生涯を終えて名前が称えられないことを憂える。
【解説】
一生を終える際、若しくは死後に、功績が称えられない、賞賛されないことを心配するという章句です。孔子の言葉ですから、賞賛の基準は、為政者であれば徳政や道が行われていたかということでしょう。論語の中にも孔子が先人を評する章句が様々収録されています(その一部を後述)ので、是非、楽しんでください。
「立派なリーダーだな衛の大夫・蘧伯玉は、国の政事が正しく行われているときには国に仕え、国の政事が行われていないときには、(能力を)まとめて懐にしまってしまう|「論語」衛霊公第十五07」
「南宮适は退出した。孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人(君子)とはこのようなことを言うのだね。ひとが生まれながらに重ねていく善い行い(徳)を重視するとはこのようなことを言うのだね|「論語」憲問第十四06」
なお、ひとつ前の章句にもあるように、世の中に知られるということが目的ではありません。「君子・人の上に立つ立派な人・リーダーは、自分の能力が無いことを心配する。人から自分が知られないことを心配しない|「論語」衛霊公第十五19」
「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五19< | >衛霊公第十五21
【原文・白文】
子曰、君子疾没世而名不称焉。
<子曰、君子疾沒世而名不稱焉。>
(子曰わく、君子は世を没えて名の称せられざるを疾む。)
【読み下し文】
子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は世(よ)を没(お)えて名(な)の称(しょう)せられざるを疾(にく)む。
「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五19< | >衛霊公第十五21