論語、素読会

君子は世を没えて名の称せられざるを疾む|「論語」衛霊公第十五20

孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーは生涯を終えて名前が称えられないことを憂える。|「論語」衛霊公第十五20

【現代に活かす論語】
人の上に立つ立派なリーダーは、死後

【解釈】

子曰わく、君子は世を没えて名の称せられざるを疾む。|「論語」衛霊公第十五20
子曰、君子疾没世而名不称焉。

「君子」(くんし)は徳の高いりっぱな人物、人の上に立つ立派な人、リーダー。「没世」は生涯を終える。死ぬ。「称」(しょうす)は賞賛する。「疾」(にくむ)は物事を憂える。

孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーは生涯を終えて名前が称えられないことを憂える。

【解説】

一生を終える際、若しくは死後に、功績が称えられない、賞賛されないことを心配するという章句です。賞賛の基準は、孔子の言葉ですから、為政者であれば徳政や道が行われていたかということでしょう。論語の中にも孔子が先人を評する章句が様々収録されています(その一部を後述)ので、是非、楽しんでください。
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なお、ひとつ前の章句にもあるように、世の中に知られるということが目的ではありません。「君子・人の上に立つ立派な人・リーダーは、自分の能力が無いことを心配する。人から自分が知られないことを心配しない|「論語」衛霊公第十五19


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五19< | >衛霊公第十五21


【原文・白文】
 子曰、君子疾没世而名不称焉。
<子曰、君子疾沒世而名不稱焉。>

(子曰わく、君子は世を没えて名の称せられざるを疾む。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は世(よ)を没(お)えて名(な)の称(しょう)せられざるを疾(にく)む。


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衛霊公第十五19< | >衛霊公第十五21


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