論語、素読会

人の己を知らざるを病えず|「論語」衛霊公第十五19

孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーは、自分の能力が無いことを心配する。人から自分が知られないことを心配しない。|「論語」衛霊公第十五19

【現代に活かす論語】
組織の立派なリーダーは自分の能力が無いことを心配するが、人から認められないこをを心配しない。

【解釈】

子曰わく、君子は能無きを病う。人の己を知らざるを病えず。|「論語」衛霊公第十五19
子曰、君子病無能焉。不病人之不己知也。

「君子」(くんし)は徳の高いりっぱな人物、人の上に立つ立派な人、リーダー。「能」(のう)はなにかをなしうる力量、学問や技芸の才能。「病」(うれい)は心配する、憂える。

孔先生がおっしゃった、君子・人の上に立つ立派な人、リーダーは、自分の能力が無いことを心配する。人から自分が知られないことを心配しない。

【解説】

本章句と同様に人が自分を認めてくれないという境遇に対する章句を紹介します。「人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり。|「論語」学而第一16」この章句は、まわりの人の能力に気付かないことを心配しています。「人の己を知らざるを患えず。其の不能を患うるなり|「論語」憲問第十四32」この章句は、本章句と同じ意味ですね。「君子」という主語がある章句とない章句がありますが、どの章句の主語も「君子」だと考えるべきだと思います。と同時に自分自身に置き換えることも大切です。


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五18< | >衛霊公第十五20


【原文・白文】
 子曰、君子病無能焉。不病人之不己知也。

(子曰わく、君子は能無きを病う。人の己を知らざるを病えず。)
【読み下し文】
子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は能(のう)無(な)きを病(うれ)う。人(ひと)の己(おのれ)を知(し)らざるを病(うれ)えず。


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衛霊公第十五18< | >衛霊公第十五20


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