論語、素読会

其の位に在らざれば、其の政を謀らず|「論語」憲問第十四27

孔先生がおっしゃった、その地位でなければ、その職務について質問しない。|「論語」憲問第十四27

【現代に活かす論語】 ☆☆☆☆☆ 星5
他人へのお節介・口出しはしない。部外者は中傷しない。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

07:05「憲問第十四」後半22 – 46 素読
2024.1.12収録

【解釈】

子曰わく、其の位に在らざれば、其の政を謀らず。|「論語」憲問第十四27
子曰、不在其位、不謀其政。

「位」(くらい)は職務上の地位。「謀」(はかる)は相談する、質問する。「政」(まつりごと)は集団生活の事務。

孔先生がおっしゃった、その地位でなければ、その職務について質問しない。

【解説】

専門外、関係のないことに口出しをしないという章句です。この章句を含めて続く三章句では、分をわきまえる、自分の行い以上に言葉が過ぎないようにするということが伝えられています。

其の位に在らざれば、其の政を謀らず|「論語」泰伯第八14」に全く同じ章句が収録されています。泰伯第八の篇は、主に任官を目指して孔子門下で学び始めて比較的間もない弟子を対照している様子が伝わってきます。対してこの憲問第十四の篇では、主に任官して主君に仕える者の心得をより具体的に伝えているので、任官が近い弟子たちが対象であると考えます。この二篇で重ねて登場するほど重要な章句と考えます。

その上で、今一度この章句を味わうと、単に組織内での口出しということではなく、普段の生活において、他人へのお節介、部外者が中傷することへの戒めにも思えてきます。


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四26< | >憲問第十四28


【原文・白文】
 子曰、不在其位、不謀其政。

(子曰わく、其の位に在らざれば、其の政を謀らず。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、其(そ)の位(くらい)に在(あら)らざれば、其(そ)の政(まつりごと)を謀(はか)らず。


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四26< | >憲問第十四28


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