論語、素読会

惟仁者のみ能く人を好み、能く人を悪む|「論語」里仁第四03

孔先生がおっしゃった、ただ思いやりの心を持ったひとだけが、先入観なく正しくひとを愛し、正しくひとを悪む。|「論語」里仁第四03

【現代に活かす論語】
ひとはひとを悪むことがある。ただ私心がないひとは、先入観なく、悪んでいるということを自分の中に認めるのである。そして正しくひとを愛すのである。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討 里仁第四02
06:50 章句の検討 里仁第四03
13:30 「里仁第四」01-26 素読
2021.5.12収録

【解釈】

子曰わく、惟仁者のみ能く人を好み、能く人を悪む。|「論語」里仁第四03
子曰、惟仁者能好人、能悪人。

「惟」(ただ)は独りの意。「仁」(じん)は思いやりの心、仁者は私心がなく思いやりの心を持ったひと。『仁』とは?|論語、素読会 「能」(よく)はよくと強調する。「悪」(にくむ)と読む。
孔先生がおっしゃった、ただ思いやりの心を持ったひとだけが、先入観なく正しくひとを愛し、正しくひとを悪む。

【解説】

孔子は、己の中にひとを悪む心があると認めています。その上で、私心がない仁者はひとを愛すことも、悪むことも先入観なく行えるというのです。
これはどういう意味でしょうか? 悪を悪むというと、その前は愛を愛すになってしまうので、少し違う気がします。ひとを悪むというのはその人が憎いというより、自分の中にある憎愛の念を確認するという作業ができるということではないでしょうか。善悪を取り違えることなく、なぜこの人のことを自分は悪いのか、冷静に判断した上で人付き合いをするということではないかと思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
里仁第四02< | >里仁第四04


【原文・白文】
 子曰、惟仁者能好人、能悪人。
<子曰、惟仁者能好人、能惡人。>

(子曰わく、惟仁者のみ能く人を好み、能く人を悪む。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、惟(ただ)仁者(じんしゃ)のみ能(よ)く人(ひと)を好(この)み、能(よ)く人(ひと)を悪(にく)む。


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