論語、素読会

其の事を敬して、其の食を後にす|「論語」衛霊公第十五38

孔先生がおっしゃった、主君に仕えるときには、その任務を慎重に行って、その給与(待遇)を後回しにする。|「論語」衛霊公第十五38

【現代に活かす論語】
特に社会的に責任がある職に就く際には、その処遇を気にするのではなく、まず慎重に職務に当たることです。

【解釈】

子曰わく、君に事うるには、其の事を敬して、其の食を後にす。|「論語」衛霊公第十五38
子曰、事君、敬其事、而後其食。

「君」(きみ)は、統治者の通称、王者、天子・諸侯・卿・大夫など。「事」(つかふ)は、官職につく。「事」(こと)は、職務、任務、職業、つとめ。「敬」(けいす)は、重んじる。「食」(しょく)は、俸禄、役人の給与として受け取る糧米、扶持。

孔先生がおっしゃった、主君に仕えるときには、その任務を慎重に行って、その給与(待遇)を後回しにする。

【解説】

君主に仕える官職の心づもりを伝える章句です。待遇や給与にこだわる前に慎重に仕事をせよという内容ですが、けっして「食」をないがしろにせよということではありません。待遇ばかりを気にする弟子たちを戒める意味もあったのではないでしょうか。


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五37< | >衛霊公第十五39


【原文・白文】
 子曰、事君、敬其事、而後其食。

(子曰わく、君に事うるには、其の事を敬して、其の食を後にす。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、君(きみ)に事(つか)うるには、其(そ)の事(こと)を敬(けい)して、其(そ)の食(しょく)を後(あと)にす。


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衛霊公第十五37< | >衛霊公第十五39


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