論語、素読会

以て士と為すに足らず|「論語」憲問第十四03

孔先生がおっしゃった、役人として日常の生活をすることを思いめぐらすのは、役人としては足りない。|「論語」憲問第十四03

【現代に活かす論語】
役人が安穏とした生活を望むとすれば、それは役人としては意識が足りない。(役人の責任は重いのです。)

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

04:25「憲問第十四」前半01 – 21 素読
2023.11.22収録

【解釈】

子曰わく、士にして居を懐うは、以て士と為すに足らず。|「論語」憲問第十四03
子曰、士而懐居、不足以為士矣。

「士」(し)は役人。「居」(きょ)は日常の生活をする、ふつうに過ごす。「懐」(おもう)は思いをむける、思いめぐらす。

孔先生がおっしゃった、役人として日常の生活をすることを思いめぐらすのは、役人としては足りない。

【解説】

役人が安穏とした生活を思うのは役人としての心構えが足りないということです。ここでいう「居」とはどういうことでしょうか。「居」には安らかという意味が含まれます。
孔子の弟子・曽子の言葉ですが、「曾子曰わく、士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。仁以て己が任と為す、亦重からずや。死して後已む、亦遠からずや。|「論語」泰伯第八07」士(ここでは、才能を備えた人)は度量が大きく意思が強くなければならない、なぜなら責任は重く道は遠いからであると言っています。安らかに普通に過ごすことを考えている場合ではないのです。


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四02< | >憲問第十四04


【原文・白文】
 子曰、士而懐居、不足以為士矣。
<子曰、士而懷居、不足以爲士矣。>

(子曰わく、士にして居を懐うは、以て士と為すに足らず。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、士(し)にして居(きょ)を懐(おも)うは、以(もっ)て士(し)と為(な)すに足(た)らず。


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