論語、素読会

人の己を知らざるを患えず|「論語」憲問第十四32

孔先生がおっしゃった、人が自分を認めてくれないのを心配することはない。自分にその能力が無いことを心配するのだ。|「論語」憲問第十四32

【現代に活かす論語】
他人に認められないのを心配するのではなく、その能力に達していないことを心配するのだ。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

04:50「憲問第十四」後半22 – 46 素読
2024.1.22収録

【解釈】

子曰わく、人の己を知らざるを患えず、其の不能を患うるなり。|「論語」憲問第十四32
子曰、不患人之不己知、患其不能也。

「己」(おのれ)は、自分、おのれ。「患」(うれえる)は心配する、思い悩む。「能」(のう)は学問や技芸の才能。

孔先生がおっしゃった、人が自分を認めてくれないのを心配することはない。自分にその能力が無いことを心配するのだ。

【解説】

本章句と同様に人が自分を認めてくれないという境遇に対する章句を紹介します。「人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり。|「論語」学而第一16」この章句は、まわりの人の能力に気付かないことを心配しています。「君子は能無きを病う。人の己を知らざるを病えず。|「論語」衛霊公第十五19」この章句は、本章句と同じ意味ですね。「君子」という主語がある章句とない章句がありますが、どの章句の主語も「君子」だと考えるべきだと思います。と同時に自分自身に置き換えることも大切です。


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四31< | >憲問第十四33


【原文・白文】
 子曰、不患人之不己知、患其不能也。

(子曰わく、人の己を知らざるを患えず、其の不能を患うるなり。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、人(ひと)の己(おのれ)を知(し)らざるを患(うれ)えず、其(そ)の不能(ふのう)を患(うれ)うるなり。


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