論語、素読会

仁以て己が任と為す、亦重からずや|「論語」泰伯第八07

【原文】
 曾子曰、士不可以不弘毅。任重而道遠。仁以為己任、不亦重乎。死而後已、不亦遠乎。
<曾子曰、士不可以不弘毅。任重而道遠。仁以爲己任、不亦重乎。死而後已、不亦遠乎。>

(曾子曰わく、士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。仁以て己が任と為す、亦重からずや。死して後已む、亦遠からずや。)
【読み下し文】
 曾子(そうし)曰(のたま)わく、士(し)は以(もっ)て弘毅(こうき)ならざるべからず。任(にん)重(おも)くして道(みち)遠(とお)し。仁(じん)以(もっ)て己(おの)が任(にん)と為(な)す、亦(また)重(おも)からずや。死(し)して後(のち)已(や)む、亦(また)遠(とお)からずや。


曾子(そうし) … 姓は曾、名は参(しん)、字は子輿(しよ)。孔子より46歳若い。孔子の教えを伝えた第一人者と言われています。

【解釈】

曾子曰、士不可以不弘毅。任重而道遠。仁以為己任、不亦重乎。死而後已、不亦遠乎。

「士」(し)は才能・胆力・識見を備えたひと。「弘毅」(こうき)は度量が大きく、意志が強い。「任」(にん)は責任、任務。「仁」(じん)は思いやりの心に身を置いて生きること。『仁』とは?|論語、素読会 「已」(やむ)は完全に終わる、しとげる。
曾子が言った、才能を備えたひとは度量が大きく意思が強くなければならない。責任は重く道は遠いからである。思いやりの心に身を置き実践することを自らの任務とする。なんと重いことではないか。死んだ後にその任務は終わる、死ぬまでその任務は続く。なんと遠いではないか。


【解説】

この章句はひとの上に立つ者の責任について絶え間ない努力と死ぬまで実践することを求めています。しかしその言葉の中に希望であり勇気を感じるのです。曾子は他人に求めるだけでなく、曾子自信の覚悟が感じられるからではないでしょうか。曾子は決してこの遠くて重い道のりを悲観しているのではなく、むしろ楽しみにしているように感じるのです。


「論語」参考文献|論語、素読会
泰伯第八06< | >泰伯第八08


【現代に活かす論語】
人の上に立つリーダーは度量が大きく意思が強くなければならない。なぜならその責任は重く道は遠いからである。思いやりや情愛の心に身を置くことをその責任と考える、なんと重いことだろう。死ぬまでその任務は続く、なんと遠い道のりだろう。