論語、素読会

然れども未だ仁ならず|「論語」子張第十九15

子游が言う、私の友達の子張は(人が)できにくいことを成し遂げることができる。そうであっても、未だに仁者とはいえないだろう、と。|「論語」子張第十九15

【現代に活かす論語】
人ができにくいことを成し遂げることができたとしても、思いやりがある人物だとは言えない。

【解釈】

子游(しゆう) … 言游(げんゆう)。姓は言(げん)、名は偃(えん)、字は子游。武城の町の宰(長官)となる。孔子より四十五歳若い。「論語」の登場人物|論語、素読会

張(ちょう) … 子張(しちょう)。姓は顓孫(せんそん)、名は師(し)、字は子張(しちょう)。孔子より四十八歳若い。「論語」の登場人物|論語、素読会

子游曰わく、吾が友張や、能くし難きを為すなり。然れども未だ仁ならず。|「論語」子張第十九15
子游曰、吾友張也、為難能也。然而未仁。

「能」(よくす)はできる、能力がある、仁に堪える。「難」(かたい)はむずかしい、簡単ではない。「然」(しかり)はそうである。「仁」(じん)はここでは仁者のこと。孔子の門人にとっては目指す目標。思いやりのある人物。『仁』とは?|論語、素読会 

子游が言う、私の友達の子張は(人が)できにくいことを成し遂げることができる。そうであっても、未だに仁者とはいえないだろう、と。

【解説】

次の章句では、曾子が子張について語っています。二つの章句を合わせて楽しむといいでしょう。
孔子は人物を評価する際に、その人物の特長を話した後に、仁者かどうか分からないという表現を使う章句が数多くあります。しかし、この章句は、少し様子が違います。同じ弟子同士ですので、何か理由があるのだろうと思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
子張第十九14< | >子張第十九16


【原文・白文】
 子游曰、吾友張也、為難能也。然而未仁。
<子游曰、吾友張也、爲難能也。然而未仁。>

(子游曰わく、吾が友張や、能くし難きを為すなり。然れども未だ仁ならず。)
【読み下し文】
 子游(しゆう)曰(い)わく、吾(わ)が友(とも)張(ちょう)や、能(よ)くし難(かた)きを為(な)すなり。然(しか)れども未(いま)だ仁(じん)ならず。


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子張第十九14< | >子張第十九16


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