論語、素読会

与に並びて仁を為し難し|「論語」子張第十九16

曽子が言う、堂々として立派だなあ張(子張)は。しかし、一緒に並んで(歩んで)仁・心の徳性を重ね高めることは難しい、と。|「論語」子張第十九16

【現代に活かす論語】
堂々として立派な人物であっても、一緒に徳を重ねていけるとは限りません。

【解釈】

曾子(そうし)曽子(そうし) … 姓は曾、名は参(しん)、字は子輿(しよ)。孔子より四十六歳若い。
孔子の教えを伝えた第一人者と言われています。「論語」の登場人物|論語、素読会

張(ちょう) … 子張(しちょう)。姓は顓孫(せんそん)、名は師(し)、字は子張(しちょう)。孔子より四十八歳若い。「論語」の登場人物|論語、素読会

曽子曰わく、堂堂たるかな張や。与に並びて仁を為し難し。|「論語」子張第十九16
曽子曰、堂堂乎張也。難与並為仁矣。

「堂堂」(どうどう)は[容貌が]いかめしく立派なさま。「与」(とも)はいっしょに何かをしたり、動作が関係する対象を表す。「仁」(じん)は心の徳を重ね徳性を高めること。『仁』とは?|論語、素読会 

曽子が言う、堂々として立派だなあ張(子張)は。しかし、一緒に並んで(歩んで)仁・心の徳性を重ね高めることは難しい、と。

【解説】

ひとつ前の章句では子游が子張を批評しています。前の章句でも、まだ仁者とはいえないと言います。孔子は子張をやり過ぎな面があると評しています「過ぎたるはなお及ばざるがごとし|「論語」先進第十一15」ので、その辺りに子游、曽子が持つ感想の糸口があるのかも知れません。


「論語」参考文献|論語、素読会
子張第十九15< | >子張第十九17


【原文・白文】
 曽子曰、堂堂乎張也。難与並為仁矣。
<曾子曰、堂堂乎張也。難與竝爲仁矣。>

(曽子曰わく、堂堂たるかな張や。与に並びて仁を為し難し。)
【読み下し文】
 曽子(そうし)曰(い)わく、堂堂(どうどう)たるかな張(ちょう)や。与(とも)に並(なら)びて仁(じん)を為(な)し難(がた)し。


「論語」参考文献|論語、素読会
子張第十九15< | >子張第十九17


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