孔先生は、朝廷にて自分より下のものと話すときは打ち解けている。また、自分より上のものと話すときは穏やかである。天子が出廷すれば、謹んで敬い、ゆったりと落ち着いていた。|「論語」郷党第十02
【現代に活かす論語】
部下とは打ち解けて話し、先輩とは穏やかに話す。上長を謹んで敬い、ゆったりと落ち着いて仕事をしたいものだ。
『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討
07:50「郷党第十」前半01 – 09 素読
2022.9.5収録
【解釈】
朝にて下大夫と言えば、侃侃如たり。上大夫と言えば、誾誾如たり。君在せば、踧踖如たり、与与如たり。|「論語」郷党第十02
朝与下大夫言、侃侃如也。与上大夫言、誾誾如也。君在、踧踖如也、与与如也。
「朝」(ちょう)は朝廷。下大夫(かたいふ)は周代の官名のひとつ、官吏の身分、大夫階級の最下位の身分。「言」(いえば)はことばを発する、話す。「侃侃」(かんかん)はうちとけるさま。「誾誾」(ぎんぎん)はおだやかに是非を説明するさま。「君在」(きみいます)は統治者の通称、王者、天子・諸侯・卿・大夫などが出廷すること。「踧踖」(しゅくせき)は敬い謹むさま。「与与」(よよ)は威儀が整っているさま、ゆったりと落ち着いているさま。
孔先生は、朝廷にて自分より下のものと話すときは打ち解けている。また、自分より上のものと話すときは穏やかである。天子が出廷すれば、謹んで敬い、ゆったりと落ち着いていた。
【解説】
孔子の様子を表す章句です。文献によっては、熟語の解釈が難しいとのこと。私は「漢辞海(三省堂刊)」を参考にして、先人のお知恵を拝借しています。ただ、この字面を見ると韻を踏んでいるようにも感じられますので、編者のこだわりによる表現なのかもしれません。
いずれにしても孔子の様子が伝わってくる章句です。
「論語」参考文献|論語、素読会
郷党第十01< | >郷党第十03
【原文・白文】
朝与下大夫言、侃侃如也。与上大夫言、誾誾如也。君在、踧踖如也、与与如也。
<朝與下大夫言、侃侃如也。與上大夫言、誾誾如也。君在、踧踖如也、與與如也。>
(朝にて下大夫と言えば、侃侃如たり。上大夫と言えば、誾誾如たり。君在せば、踧踖如たり、与与如たり。)
【読み下し文】
朝(ちょう)にて下大夫(かだいふ)と言(い)えば、侃侃(かんかん)如(じょ)たり。上大夫(じょうたいふ)と言(い)えば、誾誾(ぎんぎん)如(じょ)たり。君(きみ)在(いま)せば、踧踖(しゅくせき)如(じょ)たり、与与(よよ)如(じょ)たり。
「論語」参考文献|論語、素読会
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