論語、素読会

誠なるかな是の言や|「論語」子路第十三11

孔先生がおっしゃった、「善人でも国を治めて百年になれば、凶暴な者を抑え込むことができ、死刑のような処罰をしないで済むようになる。」本当だよこの言葉は。|「論語」子路第十三11

【現代に活かす論語】
正しいことを行う人材であれば、時間がかかるかも知れないが、国や組織を治めることができます。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

06:35「子路第十三」前半01 – 15 素読
2023.07.27収録

【解釈】

子曰わく、善人邦を為むること百年、亦以て残に勝ちて殺を去るべしと。誠なるかな是の言や。|「論語」子路第十三11
子曰、善人為邦百年、亦可以勝残去殺矣。誠哉是言也。

「善人」(ぜん)はよい人。「邦」(くに)は国家の意、「国」は一定の地域の意。「為」(おさむ)は管理する、統治する。「残」(ざん)は凶暴な者。「殺」{さつ)は人や動物の生命をたつ、ここでは死刑のこと。

孔先生がおっしゃった、「善人でも国を治めて百年になれば、凶暴な者を抑え込むことができ、死刑のような処罰をしないで済むようになる。」本当だよこの言葉は。

【解説】

孔子が、ことわざ、言い伝えを引き合いに出して、国を治めるということについて説明している章句です。孔子の学び舎で目標にしている「君子」でなくても、時間がかかるかも知れないが国を治めることができると言います。「善人」とはどんな人を指すのか、こちらの章句で解説しています。「孔先生がおっしゃった、今は善人を見ることができない。常に変わらない正しい心を持った人を見ることができれば、満足することができる。」(子曰わく、善人は吾得て之を見ず。恒有る者を見るを得ば、斯れ可なり。|「論語」述而第七25)孔子は常に変わらない正しい心を持った人を以て善人に代えることができると言っています。


「論語」参考文献|論語、素読会
子路第十三10< | >子路第十三12


【原文・白文】
 子曰、善人為邦百年、亦可以勝残去殺矣。誠哉是言也。
<子曰、善人爲邦百年、亦可以勝殘去殺矣。誠哉是言也。>

(子曰わく、善人邦を為むること百年、亦以て残に勝ちて殺を去るべしと。誠なるかな是の言や。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、善人(ぜんにん)邦(くに)を為(おさ)むること百年(ひゃくねん)、亦(また)以(もっ)て残(ざん)に勝(か)ちて殺(さつ)を去(さ)るべしと。誠(まこと)なるかな是(こ)の言(げん)や。


「論語」参考文献|論語、素読会
子路第十三10< | >子路第十三12


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