論語、素読会

而して之を犯せ|「論語」憲問第十四23

弟子の子路が主君に仕えることについて尋ねた。孔先生がおっしゃった、だますことがないように、そして(時には)面と向かって諌める(逆らう)ように。|「論語」憲問第十四23

【現代に活かす論語】
上司に仕えるということは、誠意を以て仕え、時には諫言することも必要です。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

03:55「憲問第十四」後半22 – 46 素読
2024.1.12収録

【解釈】

子路(しろ) … 姓は仲(ちゅう)、名は由(ゆう)、字は子路(しろ)・季路(きろ)。孔子より九歳若い。孔子のボディガード役を果たした。「論語」の登場人物|論語、素読会

子路君に事えんことを問う。子曰わく、欺くこと勿かれ。而して之を犯せ。|「論語」憲問第十四23
子路問事君。子曰、勿欺也。而犯之。

「事」(つかう)は官職につく。「欺」(あざむく)はだます、あざむく。「勿」(なかれ)はしない、ない。「犯」(おかす)は面と向かって逆らう。「而」(しこうして)はそして。

弟子の子路が主君に仕えることについて尋ねた。孔先生がおっしゃった、だますことがないように、そして(時には)面と向かって諌める(逆らう)ように。

【解説】

誠意を以て従事すること、そして諌めること。主君に仕えるときの心得を伝えています。本章句のひとつ前の章句では、魯の哀公に諫言したが伝わらず、苦々しい思いをしたことが紹介されています。孔子自ら実行したことと、弟子の子路の質問に回答していることが見事に一致しているのです。


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四22< | >憲問第十四24


【原文・白文】
 子路問事君。子曰、勿欺也。而犯之。

(子路君に事えんことを問う。子曰わく、欺くこと勿かれ。而して之を犯せ。)
【読み下し文】
 子路(しろ)君(きみ)に事(つか)えんことを問(と)う。子(し)曰(のたま)わく、欺(あざむ)くこと勿(な)かれ。而(しこう)して之(これ)を犯(おか)せ。


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