論語、素読会

郷人の儺には、朝服して阼階に立つ|「論語」郷党第十10

(孔先生は、)村人との酒席では、杖をつく老人が退席してから退席した。村人との疫病神を追い払う儀式では、礼装して(主人が立つ)東の階段に立って参加された。|「論語」郷党第十10

【現代に活かす論語】
地域住人との酒席であっても、目上の人が退席するのを待つなど礼節を重んじ、祭事でも礼装することを忘れるべきではない。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討
07:25「郷党第十」前半10 – 18 素読
2022.11.14収録

【解釈】

郷人の飲酒には、杖者出ずれば、斯に出ず。郷人の儺には、朝服して阼階に立つ。|「論語」郷党第十10
郷人飲酒、杖者出、斯出矣。郷人儺、朝服而立於阼階。

「郷人」(きょうじん)は村人。「杖者」(じょうしゃ)、杖は老人がつく、ので杖者は杖をつく老人。「儺」(おにやらい)は十二月に神を迎え疫病神を追い払う儀式。「朝服」(ちょうふく)は朝廷への出仕や正式の儀式の際に着る服。官吏の制服。礼服。「阼階」(そかい)は南向きの堂に庭から上る東側の階段、主人の上る階段。

(孔先生は、)村人との酒席では、杖をつく老人が退席してから退席した。村人との疫病神を追い払う儀式では、礼装して(主人が立つ)東の階段に立って参加された。

【解説】

村人との付き合いを大切にするという孔子の姿勢を表した章句です。
こちらの章句(唯謹めるのみ|「論語」郷党第十01)では、孔子は自分の村にいるときはおだやかで、無口で主張することができない人のようであった。と紹介されています。その上で、村人との交際を大切にしているということだと思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
郷党第十09< | >郷党第十11


【原文・白文】
 郷人飲酒、杖者出、斯出矣。郷人儺、朝服而立於阼階。
<郷人飮酒、杖者出、斯出矣。郷人儺、朝服而立於阼階。>

(郷人の飮酒には、杖者出ずれば、斯に出ず。郷人の儺には、朝服して阼階に立つ。)
【読み下し文】
 郷人の飮酒には、杖者出ずれば、斯に出ず。郷人の儺には、朝服して阼階に立つ。


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郷党第十09< | >郷党第十11


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