論語、素読会

古の学者は己の為にし|「論語」憲問第十四25

孔先生がおっしゃった、遠い昔、学問に志して学ぶ人は自分のために学び、今、学問に志す人は人に知られるために学んでいる。|「論語」憲問第十四25

【現代に活かす論語】
人に認められるための学問ではなく、自分を高めるための学びであるべきです。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

05:40「憲問第十四」後半22 – 46 素読
2024.1.12収録

【解釈】

子曰わく、古の学者は己の為にし。今の学者は人の為にす。|「論語」憲問第十四25
子曰、古之学者為己。今之学者為人。

「古」(いにしえ)は遠い昔。「学者」(がくしゃ)は学問に志して学びつつある人。「己」(おのれ)は自分。

孔先生がおっしゃった、遠い昔、学問に志して学ぶ人は自分のために学び、今、学問に志す人は人に知られるために学んでいる。

【解説】

孔子は繰り返します。人に知られていない、官職に就くことができないということを怨んだり妬んだりしないと。孔子の門下生に「学ぶことは誰のために行うのか」と問われれば、自分の修養のためと答えます。孔子の言う学びとは単に知識を蓄えるのではなく、君子(人の上に立つ立派な人)になるため徳を重ねることを指します。そのために仁の中に居り、礼を学ぶのです。そうして修養を重ねた人物たちが国の政治に参加して徳政を手助けしていく。これが教育者・孔子が日々研鑽した学び舎の姿だったのではないでしょうか。

【関連章句】

人知らずして溫みず、亦た君子ならずや|「論語」学而第一01
人の己を知らざるを患えず|「論語」学而第一16


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四24< | >憲問第十四26


【原文・白文】
 子曰、古之学者為己。今之学者為人。
<子曰、古之學者爲己。今之學者爲人。>

(子曰わく、古の学者は己の為にし。今の学者は人の為にす。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、古(いにしえ)の学者(がくしゃ)は己(おのれ)の為(ため)にし。今(いま)の学者(がくしゃ)は人(ひと)の為(ため)にす。


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四24< | >憲問第十四26


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