論語、素読会

而して与らず|「論語」泰伯第八18

【原文】
 子曰、巍巍乎。舜禹之有天下也。而不与焉。
<子曰、巍巍乎。舜禹之有天下也。而不與焉。>

(子曰わく、巍巍乎たり。舜禹の天下を有てるや。而して与らず。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、巍巍乎(ぎぎこ)たり。舜(しゅん)禹(う)の天下(てんか)を有(たも)てるや。而(しこう)して与(あずか)らず。


堯・舜・禹(ぎょう・しゅん・う) … 伝説上の天子、帝王。舜は尭から禅譲[帝王がその位を世襲せず、有徳者に譲ること]した。禹は舜に推されて王となり、夏王朝を開いたとされる。

【解釈】

子曰、巍巍乎。舜禹之有天下也。而不与焉。

「巍巍」(ぎぎ)は高く偉大なさま。「有」(たもつ)は統治する、治める。「而」(しこうして)はしかもの意。「与」(あずかる)は参加する、かかわる、預の意。
孔先生がおっしゃった、高く偉大であるなぁ、舜や禹が国を治めたのは。しかも(両者とも)直接政治に関与しなかった。


【解説】

直接政治に関与しなかったというのは、優秀な部下を集めて任せたという意味です。王位は世襲ではなく禅譲されていたので、舜や禹も優秀であったに違いありませんが、直接政治を取り仕切る能力に加えて、優秀な部下を集めてその能力を活かすことに長けていたということです。君子人(人の上に立つ立派なリーダー)を育てていた孔子が弟子に対して自ら行うだけではなく、現代でいうマネージメントも心がけよと伝えていると思います。「君子は、特定のはたらきに限定された器ではない。子曰わく、君子は器ならず。|「論語」為政第二12」 この章句でも君子の働きについて触れています。


「論語」参考文献|論語、素読会
泰伯第八17< | >泰伯第八19


【現代に活かす論語】
人の上に立つ立派なリーダーは、(優秀な部下を集めて任せ)自ら直接関与しないのである。