論語、素読会

敬せずんば何を以て別たんや|「論語」為政第二07

子游が孝行について尋ねた。孔先生がおっしゃった、今ではよく親を養う者を孝行というが、犬や馬に至るまで皆でよく養っているではないか。敬わなければ、何によって区別できようか。|「論語」為政第二07

【現代に活かす論語】
親を養うのが孝行ではない、親を敬うのが孝行である。

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00:00​ 章句の検討

10:10​ 「為政第二」01-24 素読
2021.3.15収録

【解釈】

子游(しゆう) … 姓は言、名は偃(えん)、字は子游。武城の町の宰(長官)となる。孔子より45歳若い。「論語」の登場人物|論語、素読会

子游孝を問う。子曰わく、今の孝は、是れ能く養うを謂う。犬馬に至るまで、皆能く養うあり。敬せずんば何を以て別たんや。|「論語」為政第二07
子游問孝。子曰、今之孝者、是謂能養。至於犬馬、皆能有養。不敬何以別。

「孝」とは孝行。『孝』とは?|論語、素読会 「孝者」(こうなるもの)は親孝行、親孝行を行う者。「謂」(いう)は言う。「能」(よく)は出来る。「別」(わかつ)は区別する。

子游が孝行について尋ねた。孔先生がおっしゃった、今ではよく親を養う者を孝行というが、犬や馬に至るまで皆でよく養っているではないか。敬わなければ、何によって区別できようか。

【解説】

若い子游に対して、出世して親を養うことが孝行ではないと伝えていますが、45歳若い弟子の周りには親になっている世代の弟子もいるので、尊敬してもらえるような親であるようにというメッセージもあるのではないかと思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
為政第二06< | >為政第二08


【原文・白文】
 子游問孝。子曰、今之孝者、是謂能養。至於犬馬、皆能有養。不敬何以別乎。

(子游孝を問う。子曰わく、今の孝は、是れ能く養うを謂う。犬馬に至るまで、皆能く養うあり。敬せずんば何を以て別たんや。)
※読み下し文を複数掲載する理由|論語、素読会
【読み下し文①】
 子游(しゆう)孝(こう)を問(と)う。子(し)曰(のたま)わく、今(いま)の孝(こう)は、是(こ)れ能(よ)く養(やしな)うを謂(い)う。犬馬(けんば)に至(いた)るまで、皆(みな)能(よ)く養(やしな)うあり。敬(けい)せずんば何(なに)を以(もっ)て別(わか)たんや。[仮名論語・新釈漢文大系 論語
【読み下し文②】
 子游(しゆう)孝(こう)を問(と)う。子(し)曰(のたま)わく、今(いま)の孝(こう)なる者は、是(こ)れ能(よ)く養(やしな)うを謂(い)う。犬馬(けんば)に至(いた)るまで、皆(みな)能(よ)く養(やしな)うことあり。敬(けい)せずんば何(なに)を以(もっ)て別(わか)たんや。[論語と孔子の事典


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