孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人(君子)は自分の行動が徳に合致しているかを思い、凡人は自身の安住する土地について思う。君子は儀礼形式を思い、凡人は恩恵を得ることを思う。|「論語」里仁第四11
【現代に活かす論語】
リーダーは自分自身がどう道徳的に行動し、礼儀に則っているか(反していないか)を考える。一般のひとはどんな待遇や報酬を得られるか、そして自分にとってメリットがあるかどうかを考える。
『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討 里仁第四11
11:20 章句の検討 里仁第四12
16:25 「里仁第四」01-26 素読
2021.5.27収録
【解釈】
子曰わく、君子は徳を懐い、小人は土を懐う。君子は刑を懐い、小人は惠を懐う。|「論語」里仁第四11
子曰、君子懐徳、小人懐土。君子懐刑、小人懐恵。
「君子」(くんし)は人の上に立つ立派な人。「小人」(しょうじん)は凡人。「懐」(おもう)は思念すること。「徳」(とく)は人間が生まれながらに高めていく思いやり(仁)や信頼(信)の心。『徳』とは?|論語、素読会 「土」(ど)は自身の安住するところ。「刑」(けい)は法則。儀礼、政治の型。「恵」(けい)は恩恵。
孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人(君子)は自分の行動が徳に合致しているかを思い、凡人は自身の安住する土地について思う。君子は儀礼形式を思い、凡人は恩恵を得ることを思う。
【解説】
論語でたびたび登場する君子と小人の対比の章句です。孔子が政治家や官僚、そして弟子のあるべき姿として求める君子像が、この対比により明確になります。
孔子にとって「君子」はすべてのひとが生まれながらに目指す目標です。政治に携わる人に限定されず、ここまでできれば完成するというものではありません。孔子がそうであったように、生涯に渡って挑み続ける目標という意味を込めて、本ブログでは「君子」をあえて<人の上に立つ立派な人>と表現しています。
本ブログで「小人」は<君子以外の人>と考えています。多くの人が小人に当てはまる部分を持っていると思いますが、否定的に受け取るのではなく、自省を促す効果を期待していいのではないでしょうか。
「論語」参考文献|論語、素読会
里仁第四10< | >里仁第四12
【原文・白文】
子曰、君子懐徳、小人懐土。君子懐刑、小人懐恵。
<子曰、君子懷徳、小人懷土。君子懷刑、小人懷惠。>
(子曰わく、君子は徳を懐い、小人は土を懐う。君子は刑を懐い、小人は惠を懐う。)
【読み下し文】
子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は徳(とく)を懐(おも)い、小人(しょうじん)は土(ど)を懐(おも)う。君子(くんし)は刑(けい)を懐(おも)い、小人(しょうじん)は惠(けい)を懐(おもう)う。
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