孔先生がおっしゃった、自分の言葉を恥ることがなければ、その言葉を実行することは難しい。|「論語」憲問第十四21
【現代に活かす論語】
恥じることがないように発言を慎重にしなければ、その発言を実行に移すことが難しい。
発言したことを実行するのが難しいのは、その発言を恥じることがないからです。
『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討
03:45「憲問第十四」前半01 – 21 素読
2023.12.14収録
【解釈】
子曰わく、其の言を之れ怍しざれば、則ち之を為すや難し。|「論語」憲問第十四21
子曰、其言之不怍、則為之也難。
「其」(その)はわたしの。「怍」(はじる)は恥と思う。
孔先生がおっしゃった、自分の言葉を恥ることがなければ、その言葉を実行することは難しい。
【解説】
言葉と実行の関係について孔子の考えを示す章句をご紹介します。
孔子は言葉より実行が先であるといいます。行動なき言葉は存在しないかのようです。
「まず実行する、ことばはその後です。|「論語」為政第二13」
実行するために熟考することについても、考えた上で確認する程度でよいと言います。
「魯の大夫・季文子は、三度も重ねて熟考した後、実行にうつした。孔先生がそれを聞いておっしゃった、そこまで熟考せずとも、せいぜい一度考えて重ねて確認する程度で充分なのではないかと。|「論語」公冶長第五20」
行動に移すのは難しいとも考えています。
「伝え知らせたことを怠らずに実践したもの、それは回(顔淵)だけだな。|「論語」子罕第九20」
「自分の発言を慎重にする、それを「仁」と言っていいのでしょうか。孔先生がおっしゃった、発言したことを実行することは難しい。(難しいというのに)発言するときにどうして慎重にならずにおられようかと。|「論語」顔淵第十二03」
行動に移すことは難しいからこそ、慎重に発言せよというこの章句は、本章句に通じるものがあります。自分の言葉を恥じるということが発言に慎重さを生むと言っていいのではないでしょうか。できないことを発言して、行動しないというのはいかがなものかということだと思います。
逆に言えば、行動しないのは、その発言を恥じないからだとも言えます。
「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四20< | >憲問第十四22
【原文・白文】
子曰、其言之不怍、則為之也難。
<子曰、其言之不怍、則爲之也難。>
(子曰わく、其の言を之れ怍しざれば、則ち之を為すや難し。)
【読み下し文】
子(し)曰(のたま)わく、其(そ)の言(げん)を之(こ)れ怍(は)しざれば、則(すなわ)ち之(これ)を為(な)すや難(かた)し。
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