論語、素読会

位無きを患えずして、立つ所以を患う|「論語」里仁第四14

【原文】
 子曰、不患無位、患所以立。不患莫己知、求為可知也。
<子曰、不患無位、患所以立。不患莫己知、求爲可知也。>

(子曰わく、位無きを患えずして、立つ所以を患う。己を知る莫きを患えず、知らるべきを為すを求むるなり。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、位(くらい)無(な)きを患(うれ)えず、立(た)つ所以(ゆえん)を患(うれ)う。己(おのれ)を知(し)る莫(な)きを患(うれ)えずして、知(し)らるべきを為(な)すを求(もと)むるなり。

『論語、素読会』
YouTube動画

00:00 章句の検討
03:15 「里仁第四」01-26 素読
2021.5.28収録


【解釈】

子曰、不患無位、患所以立。不患莫己知、求為可知也。

「患」(うれう)は気にする、悩む。「位」(くらい)は地位身分。「所以立」(たつゆえん)は、その地位身分に立つこと、つまり地位身分を得るための理由。「知」(しる)は知られる、認められるの意。「莫」(ない)は無い。「求」(もとむ)は努力する務めること。「可知」(しらるべき)は認められる資格、可能性。
孔先生がおっしゃった、自分に地位が与えられないことを心配するより、どうしたら地位を得られるかを悩むとよい。自分が周りから認められないことを心配するより、どうしたら認められるかを考えて努力することだ。


【解説】

門人(弟子たち)に伝えた章句ではないでしょうか。結果を気にするよりそのために行動することを求めています。
論語の中には「世間から認められない」という状況を取り上げる章句がいくつか登場します。いずれの章句もこの状況を心配したり恨むことがないようにと孔子は伝えます。
人知らずして溫みず|「論語」学而第一01
人の己を知らざるを患えず|「論語」学而第一16

さらに、付け加えるとすれば、当時の孔子の状況も考慮する必要があります。孔子の理想を実現する機会になかなか恵まれず、また任官したり助言を求められても思い通りにならない。その状況下での自問自答の言葉でもあると思うのです。


「論語」参考文献|論語、素読会
里仁第四13< | >里仁第四15


【現代に活かす論語】
自分に役職が与えられないことを心配するよりどうしたらその地位を得られるか悩むとよい。自分が周りから認められないことを心配するよりどうしたら認められるかを考えて努力することだ。