論語、素読会

君子は事え易くして説ばしめ難し|「論語」子路第十三25

孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人(君子)は仕え易いが悦ばせづらい。君子を悦ばせるには、道理や規律にかなっていなければ悦ばない。君子が人を使うときには、その人の才能・能力を活かして適切に使う。一般の人(君子ではない小人)は仕えるのが難しいが悦ばせ易い。小人を悦ばせるには、道理や規律にかなわなくても悦ぶ。その小人が人を使う場合には、すべて備わっていることを求める。(故に仕えるのが難しい)|「論語」子路第十三25

【現代に活かす論語】
立派なリーダーは部下の才能・能力を活かして用いるので仕え易いが、道理に合わないことやルール違反は喜ばない。一方で一般の人は部下に完璧を求め、媚びへつらいなどに喜ぶのである。

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00:00 章句の検討

09:00「子路第十三」前半16 – 30 素読
2023.10.12収録

【解釈】

子曰わく、君子は事え易くして説ばしめ難し。之を説ばしむる道を以てせざれば、説ばざるなり。其の人を使うに及びては、之を器にす。小人事え難くして説ばしめ易し。之を説ばしむるに道を以てせずと雖も、説ぶなり。其の人を使うに及びては、備わらんことを求む。|「論語」子路第十三25
子曰、君子易事而難説也。説之不以道、不説也。及其使人也、器之。小人難事而易説也。説之雖不以道、説也。及其使人也、求備焉。

「君子」(くんし)は人の上に立つ立派な人。「事」(つかえる)は先生について学問を修める。仕える。「説」(よろこばしい)は心からうれしく思う。「道」(みち)は道理、規律。「器」(うつわ)は才能・能力を活かして適切に用いる、人材を活用する。「小人」(しょうじん)は君子以外の人。「備」(そなわる)は全面的なさま、すべてそなわるさま。

孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人(君子)は仕え易いが悦ばせづらい。君子を悦ばせるには、道理や規律にかなっていなければ悦ばない。君子が人を使うときには、その人の才能・能力を活かして適切に使う。一般の人(君子ではない小人)は仕えるのが難しいが悦ばせ易い。小人を悦ばせるには、道理や規律にかなわなくても悦ぶ。その小人が人を使う場合には、すべて備わっていることを求める。(故に仕えるのが難しい)

【解説】

上司、上役の有るべき姿を指摘した章句です。立派なリーダーが部下として仕え易い理由は、部下の技量を活かして適切に用いるからです。一方、一般の人、リーダーとしての資質に欠ける人に部下として仕えるのが難しい理由は、部下に完璧さを求めるからです。道理や規則にかなわないとは、へつらいや利益供与などをもってすれば悦ばせることができるという意味で、大変納得できる章句です。この章句から我々が学ぶべきは、組織の一員としてどのようにあるべきか、立派なリーダーとは、肩書きに制限されるのではなく、プロジェクトの長であり、先輩であるという、想像力をもって自身に投影することだと思います。

ひとの能力や才能を「器」と表現している章句をご紹介します。
孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人物とは、特定のはたらきに限定された器ではない。|「論語」為政第二12
子貢が孔先生に「私はいかがでしょうか」と尋ねた。孔先生がおっしゃった「お前は器である。」と。子貢は言います。「どのような器でしょうか?」孔先生は「宗廟の祭で使う大切な瑚璉であるよ。」と答えられました。|「論語」公冶長第五04


「論語」参考文献|論語、素読会
子路第十三24< | >子路第十三26


【原文・白文】
 子曰、君子易事而難説也。説之不以道、不説也。及其使人也、器之。小人難事而易説也。説之雖不以道、説也。及其使人也、求備焉。

(子曰わく、君子は事え易くして説ばしめ難し。之を説ばしむる道を以てせざれば、説ばざるなり。其の人を使うに及びては、之を器にす。小人事え難くして説ばしめ易し。之を説ばしむるに道を以てせずと雖も、説ぶなり。其の人を使うに及びては、備わらんことを求む。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は事(つか)え易(やす)くして説(よろこ)ばしめ難(がた)し。之(これ)を説(よろこ)ばしむる道(みち)を以(もっ)てせざれば、説(よろこ)ばざるなり。其(そ)の人(ひと)を使(つか)うに及(およ)びては、之(これ)を器(うつわ)にす。小人(しょうじん)事(つか)え難(がた)くして説(よろ)ばしめ易(やす)し。之(これ)を説(よろこ)ばしむるに道(みち)を以(もっ)てせずと雖(いえdp)も、説(よろこ)ぶなり。其(そ)の人(ひと)を使(つか)うに及(およ)びては、備(そな)わらんことを求(もと)む。


「論語」参考文献|論語、素読会
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