論語、素読会

義と之れ与に比う|「論語」里仁第四10

【原文】
 子曰、君子之於天下也、無適也、無莫也。義之与比。
<子曰、君子之於天下也、無適也、無莫也。義之與比。>

(子曰わく、君子の天下に於けるや、適も無く、莫も無し。義と之れ与に比う。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)の天下(てんか)に於(お)けるや、適(てき)も無(な)く、莫(ばく)も無(な)し。義(ぎ)と之(こ)れ与(とも)に比(したが)う。

論語、素読会』
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00:00 章句の検討
06:25 「里仁第四」01-26 素読
2021.5.26収録


【解釈】

子曰、君子之於天下也、無適也、無莫也。義之与比。

「天下」(てんか)は世の中のあらゆること。君子(人の上に立つ立派な人)においては、政治と狭義に解釈することも可能。「適」(てき)は一方に固執する考え方。「莫」(ばく)は絶対にこうしないと決めないこと。適の反対。「義」(ぎ)は正しいこと、道理。「比」(したがう)は従う。
孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人は物事を処理するにあたっては、必ずこうしようと固執することなく、また絶対にこうしないと心に決めることもない。ただ、道理に従って正しくあるのみだ。


【解説】

ものごとに固執することや、忌み嫌うこと、つまり先入観や偏見を持たないのが、ひとの上に立つ者に必要なことです。「天下」ということで良いことも悪いことも、望むと望まないとに関わらず、相対した物事すべてにと対象は広いです。さらに、先入観や偏見を排除した上で「義」つまり正しい道理に従うことを求めています。これは対応する言動に一本筋が通っていることを求めています。


「論語」参考文献|論語、素読会
里仁第四09< | >里仁第四11


【現代に活かす論語】
リーダーは、物事に固執せず、偏見を持って遠ざけることもなく、ただ誰から見ても正しいことに従って行動するのみである。