論語、素読会

子怪力乱神を語らず|「論語」述而第七20

【原文】
 子不語怪力乱神。
<子不語怪力亂神。>

(子怪力乱神を語らず。)
【読み下し文】
 子(し)怪(かい)力(りき)乱(らん)神(しん)を語(かた)らず。


【解釈】

子不語怪力乱神。

「語」(かたらず)は論述する。「怪」(かい)は怪異、妖怪など。「力」(りき)は非常な力があること、怪力、武勇のすぐれた話など。「乱」(らん)は日常の道理を乱すこと、倫理を乱すこと、反乱など。「神」(しん)は神秘的なこと、鬼神、霊験。
孔先生は、怪談、武勇伝、倫理に背くこと、鬼神霊験について詳しく語ることがなかった。


【解説】

霊的なことや、武勇伝、親殺し子殺しといった非倫理的なことは、噂であったり勝手な推論を語ることが多いです。そういったひとびとにとっては興味を引くものであっても、それを知っているように論述することはしなかったということでしょう。
未知のことを知っていること(またはそのように振る舞うこと)によって教え導くことが孔子の教学ではないこと。ある文献ではそれを孔子の教学は宗教ではないと表現しています。孔子の教学、学びとは、噂や推論といった不確かなことを明確にするのではなく、それぞれのひとの中にあることを先人の叡智を参考にしながら気付いて行く作業なのではないかと思うのです。


「論語」参考文献|論語、素読会
述而第七19< | >述而第七21


【現代に活かす論語】
怪談話、武勇伝、倫理の乱れや、鬼神怨霊の類いを孔子は詳しく語りませんでした。