論語、素読会

之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば|「論語」為政第二03

【原文】
 子曰、道之以政、斉之以刑、民免而無恥。道之以徳、斉之以礼、有恥且格。
<子曰、道之以政、齊之以刑、民免而無恥。道之以徳、齊之以禮、有恥且格。>

(子曰わく、之を道くに政を以し、之を斉うるに刑を以てすれば、民免れて恥ずること無し、之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥ずる有りて且つ格し。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、之(これ)を道(みちび)くに政(せい)を以(もっ)し、之(これ)を斉(ととの)うるに刑(けい)を以(もっ)てすれば、民(たみ)免(のが)れて恥(は)ずること無(な)し、之(これ)を道(みちび)くに徳(とく)を以(もっ)てし、之(これ)を斉(ととの)うるに礼(れい)を以(もっ)てすれば、恥(は)ずる有(あ)りて且(か)つ格(ただ)し。

『論語、素読会』
YouTube動画

00:00​ 章句の検討 為政第二02
05:50​ 章句の検討 為政第二03
15:30​ 「為政第二」01-24 素読
2021.3.10収録


【解釈】

子曰、道之以政、斉之以刑、民免而無恥。

「道」は導く。「政」は政治、国を治めること。法律や制度、命令や禁止などの規制を指している。「斉」は整える。一様に揃えて扱う。『道』とは?|論語、素読会
孔先生がおっしゃった、国を法律や制度をもって導き、刑罰で統制しようとするならば、国民はただその刑を逃れるだけで何も恥じなくなる。

道之以徳、斉之以礼、有恥且格。

「徳」は道徳のこと。人が生まれながらに重ねていく徳性。『徳』とは?|論語、素読会 「礼」は広く礼儀や礼節、古くからこうあるべきとされている大切なもの。『礼』とは?|論語、素読会 「格」は(いたる)とも(ただし)とも読み下す。善に至るや自ら正すという意味をもつ。
道徳によって導き、礼儀や儀礼を伝えて統制していくと、人民は自分を恥じて自らを省みて、自ずと正して善に向かっていくようになる。


【解説】

ただ法律や刑罰・処罰で人や組織を統制しようとすると、ひとはそれに抵触するかどうかを判断することに終始して、自分自身でことの善し悪しを判断しなくなる。普遍的な価値観、子どもから大人までに通ずる道徳観を浸透させて、古の習い、経験に基づく戒めやものの道理に従えば、自分で考え反省し恥を感じるようになる。今、我々に求められる倫理観でしょう。


「論語」参考文献|論語、素読会
為政第二02< | >為政第二04


【現代に活かす論語】
組織開発において、成績や懲罰だけで評価しようとすると結果を求めるばかりで風紀が乱れる。プロセスや普段の行いで評価すれば、社員は自らを恥じて、自然と正しい方向に向かって行くようになるだろう。