論語、素読会

道同じからざれば、相為に謀らず|「論語」衛霊公第十五40

孔先生がおっしゃった、歩む道が同じでなければ、お互いに力を合わせて相談することはない。|「論語」衛霊公第十五40

【現代に活かす論語】
目的達成のために手段を選ばないのではなく、同じ目標の人とお互いに力を合わせて相談しあうようにしたい。

【解釈】

子曰わく、道同じからざれば、相為に謀らず。|「論語」衛霊公第十五40
子曰、道不同、不相為謀。

「道」(みち)は、道理、規律、意向、行き先。『道』とは?|論語、素読会 「相」(あい)は、いっしょに、力を合わせて。「謀」(はかる)は、相談する。

孔先生がおっしゃった、歩む道が同じでなければ、お互いに力を合わせて相談することはない。

【解説】

どのような場面で話した言葉でしょうか。「道」とは、ひとが生まれながらにして徳性を重ねながら進む道。正しい道。という意味がありますので、単純に志して向かう方向性ということだけでなく、正しい道を歩む心づもりがないのであればという厳しい思いも感じます。ただ、志を同じくしない人とは話したくないとか、話しても時間が無駄だというような排他的な感覚ではないことをお伝えしたいです。「相為」というのはお互いに力を合わせてという協力して行うという意味合いが強いように感じます。つまり、同じ「道」を進むために協力し合うことは大切である。相手が「道」を心得ているのか見極めよという思いを感じます。
これはあくまで例えですが、金儲けのために行う政治と人民を思って行う政治が、発展という旗印の下に一時的に同じように思えても、根本である「道」が違えば、協力して話し合うことは決して、民のためにならないということになります。目的達成のためには手段を選ばずということではない、孔子の実直さが伝わる章句です。


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五39< | >衛霊公第十五41


【原文・白文】
 子曰、道不同、不相為謀。
<子曰、道不同、不相爲謀。>

(子曰わく、道同じからざれば、相為に謀らず。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、道(みち)同(おな)じからざれば、相(あい)為(ため)に謀(はか)らず。


「論語」参考文献|論語、素読会
衛霊公第十五39< | >衛霊公第十五41


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