論語、素読会

是れ之を棄つと謂う|「論語」子路第十三30

孔先生がおっしゃった、何も教えていない人民を戦わせるのは、人民を捨てるというものだ。|「論語」子路第十三30

【現代に活かす論語】
何も教えていない人を戦場に向かわせるのは、その人たちを捨てるようなものです。

何も教えていない人を仕事の現場に立たせるのは、その人たちを捨てるようなものです。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

06:05「子路第十三」前半16 – 30 素読
2023.10.19収録

【解釈】

子曰わく、教えざるの民を以て戦う、是れ之を棄つと謂う。|「論語」子路第十三30
子曰、以不教民戦、是謂棄之。

」(すつ)はうちすてる。「之」(これ)は民を指す。

孔先生がおっしゃった、何も教えていない人民を戦わせるのは、人民を捨てるというものだ。

【解説】

前の章句と一緒に味わいたいです。
孔先生がおっしゃった、(君子ではないが)善い人が7年も人民を教えれば、(人民を)兵役にさえ就かせることができる。|「論語」子路第十三29
兵役に就く者に充分に教えるのも為政者の役目です。前の章句ではそれを果たしていると考えていいと思います。善い政治とは何であるかを孔子は問うています。

また、職場でも同じように考えることはできないでしょうか。不十分な教育で仕事の現場に立たせることは、その人材の価値をそもそも最大化しようとしていないことであり、いわば捨て駒にするようなものです。リーダーの資質が問われると思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
子路第十三29< | >憲問第十四01


【原文・白文】
 子曰、以不教民戦、是謂棄之。
<子曰、以不教民戰、是謂棄之。>

(子曰わく、教えざるの民を以て戦う、是れ之を棄つと謂う。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、教(おし)えざるの民(たみ)を以(もっ)て戦(たたか)う、是(こ)れ之(これ)を棄(す)つと謂(い)う。


「論語」参考文献|論語、素読会
子路第十三29< | >憲問第十四01


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