論語、素読会

詩三百、一言以ってすれば之を蔽う|「論語」為政第二02

【原文】
 子曰、詩三百、一言以蔽之、曰思無邪。

(子曰わく、詩三百、一言以ってすれば之を蔽う、曰わく思い邪無し。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、詩三百(しさんびゃく)、一言(いちげん)以(もっ)てすれば之(これ)を蔽(おお)う、曰(い)わく思(おもい)邪(よこしま)無(な)し。

『論語、素読会』
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00:00​ 章句の検討 為政第二02

05:50​ 章句の検討 為政第二03
15:30​ 「為政第二」01-24 素読
2021.3.10収録


【解釈】

子曰、詩三百、一言以蔽之、

「詩」とは、詩経のこと。孔子の時代よりも前、周の時代を含む前時代の詩。孔子はこの詩を門人の教育に用いた。現代に伝えられているのは三百五編。
「蔽」とは(おおう)と読む。
孔先生がおっしゃった、詩経はおおよそ三百編あるが、蔽いつくす(貫く精神性を伝える)ひと言は?といわれると、

曰思無邪。

思うところ邪念がないということだろう。


【解説】

孔子の時代より前、「周」や更に前代の「殷」・「夏」の時代を詠んだ「詩経」をひと言で例えると「邪念がない」といいます。私心が無いとひと言で表しても、私利私欲はこの時代の人にもあったわけで、それよりもマルクスの資本論で言う「コモン」の感覚が残っていたのでは無いかと最近思うのです。すでに戦乱の世の中にあった孔子が、国が安定していたと伝えられる「周」の時代を意識し手本のようにして、如何にして国の安定を求めるかという命題に対して、利他の精神、自分の利益自国の利益を優先しないという、簡潔な考えを表した章句だと解釈すると、意味深いです。


「論語」参考文献|論語、素読会
為政第二01< | >為政第二03


【現代に活かす論語】
理想の政治を端的に表現するとすれば、ひと言「誠心誠意」ということになる。