論語、素読会

詩に興り、礼に立ち、楽に成る|「論語」泰伯第八08

【原文】
 子曰、興於詩、立於礼、成於楽。
<子曰、興於詩、立於禮、成於樂。>

(子曰わく、詩に興り、礼に立ち、楽に成る。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、詩(し)に興(おこ)り、礼(れい)に立(た)ち、楽(がく)に成(な)る。


【解釈】

子曰、興於詩、立於礼、成於楽。

「詩」(し)は詩経のこと。孔子は弟子たちに詩経を暗唱できるようにと伝えていたそうです。「興」(おこる)は風景に触発されて思いを興したり何かにちなんで興味を寄せたりすること。詩経の六つの分類『六義(りくぎ)』の内容による分類、風・雅・頌と表現方法による分類、賦・比・興のひとつだが、これは後世に定義されたもの。「礼」(れい)は礼儀、規範(ルール)。『礼』とは?|論語、素読会 
孔先生がおっしゃった、詩によって思いを興し、礼儀によって自立し、音楽によって人として完成する。


【解説】

孔子の学びの中で大切にしている三つのことを短く分かりやすく解説している章句です。「興」の解釈ですが、孔子の時代に詩経の六義の定義はまだ存在していなかったと思います。ただ周代のものが口承された詩が詩経として編纂されたと言われているので、本章句の表現もその後の解釈と大きく違わないと判断しました。孔子の学びの特長は詩や音楽を嗜むことを重要視している点です。芸術・芸能など文化的な素養があってこその人格形成という信念がぶれることはありませんでした。


「論語」参考文献|論語、素読会
泰伯第八07< | >泰伯第八09


【現代に活かす論語】
詩を詠む感情の豊かなさま、礼儀正しさ、音楽を心から楽しむことによってひとは完成する。