論語、素読会

君を要せずと曰うと雖も、吾は信ぜざるなり|「論語」憲問第十四15

孔先生がおっしゃった、臧武仲は自分の領地・防において後継者を立てたいと魯に求めた。魯の君主に願い請うていないと言ったとしても私は信じていない。|「論語」憲問第十四15

【現代に活かす論語】
才知溢れるリーダーであっても、行動が伴わなければ認められない。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

07:25「憲問第十四」前半01 – 21 素読
2023.12.14収録

【解釈】

臧武仲(ぞうぶちゅう) … 魯の大夫。臧文仲(ぞうぶんちゅう)の孫。「論語」の登場人物|論語、素読会

子曰わく、臧武仲防を以て後を魯に為すを求む。君を要せずと曰うと雖も、吾は信ぜざるなり。|「論語」憲問第十四15
子曰、臧武仲以防求為後於魯。雖曰不要君、吾不信也。

「防」(ぼう)は武仲の領地。「後」(のち)は後継者、跡継ぎ。「君」(きみ)は君主、ここでは魯の君主。「要」(ようす)は自分のものにしたいと願う、請う。

孔先生がおっしゃった、臧武仲は自分の領地・防において後継者を立てたいと魯に求めた。魯の君主に願い請うていないと言ったとしても私は信じていない。

【解説】

「左伝」に、臧武仲は罪を問われて魯を追われたが、自分の領地・防で魯の君主に後継者を立てたいと願い出た、とあるそうです。その要請は強要ともとれる様子だったそうです。
「臧武仲の知、公綽の不欲、卞莊子の勇、冉求の芸の若き、之を文るに礼楽を以てせば、亦以て成人と為すべし|「論語」憲問第十四13」この章句で孔子は臧武仲の才知を評価していますが、本章句ではその行動を批判しています。これはどんなに知識があったとしても行動が伴わなければいけないという孔子の考えを表している章句だと思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四14< | >憲問第十四16


【原文・白文】
 子曰、臧武仲以防求為後於魯。雖曰不要君、吾不信也。
<子曰、臧武仲以防求爲後於魯。雖曰不要君、吾不信也。>

(子曰わく、臧武仲防を以て後を魯に為すを求む。君を要せずと曰うと雖も、吾は信ぜざるなり。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、臧武仲(ぞうぶちゅう)防(ぼう)を以(もっ)て後(のち)を魯(ろ)に為(な)すを求(もと)む。君(きみ)を要(よう)せずと曰(い)うと雖(いえど)も、吾(われ)は信(しん)ぜざるなり。


「論語」参考文献|論語、素読会
憲問第十四14< | >憲問第十四16


※Kindle版