論語、素読会

人を傷いたりやと|「論語」郷党第十12

馬小屋が焼けた。先生は朝廷から帰られて、話されました、人に怪我はなかったかと。馬のことは聞かれませんでした。|「論語」郷党第十12

【現代に活かす論語】
人の上に立つ立派な人は、災害にあった場合、まず人の安否を気遣います。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討
02:45「郷党第十」前半10 – 18 素読
2022.11.28収録

【解釈】

廐焚けたり。子朝より退いて、曰わく、人を傷いたりやと。馬を問わざりき。|「論語」郷党第十12
廐焚。子退朝、曰、傷人乎。不問馬。

「朝」(ちょう)は君主や高級官僚が政務を処理した場所、朝廷。「傷」(そこなう)は身体に損害を与える。

馬小屋が焼けた。先生は朝廷から帰られて、話されました、人に怪我はなかったかと。馬のことは聞かれませんでした。

【解説】

まず人のことを心配したことを強調したのではないでしょうか。馬は貴重であったはずですので、まず馬のことを心配するのが当たり前だった時代に、まず人を気遣う孔子の姿を伝える章句です。


「論語」参考文献|論語、素読会
郷党第十11< | >郷党第十13


【原文・白文】
 廐焚。子退朝。曰、傷人乎。不問馬。

(廐焚けたり。子朝より退いて。曰わく、人を傷いたりやと。馬を問わざりき。)
【読み下し文】
 廐(うまや)焚(うあ)けたり。子(し)朝(ちょう)より退(しりぞ)いて。曰(のたま)わく、人(ひと)を傷(そこな)いたりやと。馬(うま)を問(と)わざりき。


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