論語、素読会

約を以て之を失う者は鮮し|「論語」里仁第四23

【原文】
 子曰、以約失之者鮮矣。

(子曰わく、約を以て之を失う者は鮮し。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、約(やく)を以(もっ)て之(これ)を失(うしな)う者(もの)は鮮(すくな)し。

『論語、素読会』
YouTube動画
00:00 章句の検討 里仁第四22
03:25 章句の検討 里仁第四23
10:00 章句の検討 里仁第四24
15:30 「里仁第四」01-26 素読
2021.6.17収録


【解釈】

子曰、以約失之者鮮矣。

「約」(やく)はつつましやか控えめ。「失」(うしなう)は失敗する。「鮮」(すくなし)は少ない。
孔先生がおっしゃった、つつましやかで控えめにしているひとで、失敗しているひとは少ない。


【解説】

弟子に言った言葉でしょうか。失敗とはなんのことを指しているのでしょう。
弟子の中には任官を目指している者もいたと思います。みな優秀で中には弁が立つ者もいたと推測されます。一方、寡黙でも孔子の教えを実践している者もいました。

子曰わく、吾回と言う、終日違わざること愚なるが如し。退いて其の私を省みれば、亦以て発するに足る。回や愚ならず。

孔先生がおっしゃった、私が回と一緒に話していても、彼は大人しく静かにしているだけで愚かな人物のようだ。ところが、私の面前を離れた彼の私生活を観察してみると、私の教えを充分に啓発している。回は愚かではない。

「論語」為政第二09

弁の立つ者、目立つ者の能力ばかりが目立ちがちですが、往々にして言葉で失敗することを指しているのではないかと思うのです。ひとの上に立つ者は言葉を大切にすること。「仁」についての章句を集めたと思われる「里仁第四」篇において、君子たるや慎ましやかであるべきだと伝えたいのだと思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
里仁第四22< | >里仁第四24


【現代に活かす論語】
リーダーとしてつつましく控えめにすることで、言葉での失敗が少なくなる。