論語、素読会

子曰わく、女は器なり|「論語」公冶長第五04

【原文】
 子貢問曰、賜也何如。子曰、女器也。曰、何器也。曰、瑚璉也。

(子貢問うて曰わく、賜や何如。子曰わく、女は器なり。曰わく、何の器ぞや。曰わく、瑚璉なり。)
【読み下し文】
 子貢(しこう)問(と)うて曰(い)わく、賜(し)や何如(いかん)。子(し)曰(のたま)わく、女(なんじ)は器(き)なり。曰(い)わく、何(なん)の器(き)ぞや。曰(のたま)わく、瑚璉(これん)なり。


子貢(しこう) … 姓は端木、名は賜、字は子貢。孔子より31歳若い。「論語」の中で孔子との問答がもっとも多い。言葉巧みな雄弁家で自信家だったが、孔子には聡明さを褒められ、言葉の多さを指摘されている。「論語」の登場人物|論語、素読会

【解釈】

子貢問曰、賜也何如。子曰、女器也。曰、何器也。曰、瑚璉也。

「賜」(し)はごく親しい仲で呼ばれる名前。この章句で自分のことを「賜」と呼んでいることが興味深い。これは孔子と子貢の間柄を示している。「女」(なんじ)はお前、あなた。「器」(き)はうつわ。論語における「器」については【解説】を参照。「瑚璉」(これん)は宗廟の祭で供物を入れて神前に供える器物。
子貢が孔先生に「私はいかがでしょうか」と尋ねた。孔先生がおっしゃった「お前は器である。」と。子貢は言います。「どのような器でしょうか?」孔先生は「宗廟の祭で使う大切な瑚璉であるよ。」と答えられました。


【解説】

子曰わく、君子は器ならず。|「論語」為政第二12 では、君子(人の上に立つ立派な人)は特定の働きに限定された器であってはならない。と孔子は言います。子貢は当然この孔子の哲学を知っていたので、このやり取りでの子貢の気持ちはどのようなものだったのか興味深いです。結果として「器」の中でおそらく最上級の評価を受けますが、同時に君子にはまだ遠いという明確なメッセージを含んでいる回答でした。
自分が子貢の立場だったらどう感じたでしょう。師匠に自分のことを尋ねる機会があった環境も、孔子の学び舎の雰囲気を表しています。


「論語」参考文献|論語、素読会
公冶長第五03< | >公冶長第五05


【現代に活かす論語】
たとえあなたの能力が高くても、祭礼に用いられる大切な器のようにその能力が特定の働きに限定されるのであれば、よいリーダーと呼べるでしょうか。