論語、素読会

吾試いられず故に芸ありと|「論語」子罕第九07

弟子の牢が言った。孔先生がおっしゃった、私は任用されることがなかったので多芸になったと。|「論語」子罕第九07

【現代に活かす論語】
人材として求められることがなかったので、生活のための知識・技量が増えた。たとえ認められなくても、研鑽を積んでおくべきだろう。

【解釈】

牢(ろう) … 琴牢(きんろう)、姓は琴、名は牢、字は子開また子張。

牢曰わく、子云う、吾試いられず故に芸ありと。|「論語」子罕第九07
牢曰、子云、吾不試故芸。

「試」(もちいる)は任用する、出仕する。「芸」(げい)は才能、才知、学問、武芸、わざ。

弟子の牢が言った。孔先生がおっしゃった、私は任用されることがなかったので多芸になったと。

【解説】

この章句を前の章句と一緒と考える文献もあります。牢(琴牢)は史記に登場しないこともあり、あとから足された章句であろうとも、牢が論語の編者であるとも解釈されているようです。
「芸」とは前の章句と併せて「多能」と解釈したり、六芸(礼楽射御書数・貴族の子弟が学ぶべき六科目)のことを指すという解釈もあります。
芸が何であるかということを解釈するより、任用されることがなかったから自ずと知識・技量が増えたというシニカルな表現から、孔子の人間性を想像する楽しみを見いだせる章句ではないでしょうか。


「論語」参考文献|論語、素読会
子罕第九06< | >子罕第九08


【原文・白文】
 牢曰、子云、吾不試故芸。
<牢曰、子云、吾不試故藝。>

(牢曰わく、子云う、吾試いられず故に芸ありと。)
【読み下し文】
 牢(ろう)曰(い)わく、子(し)云(のたま)う、吾(われ)試(もち)いられず故(ゆえ)に芸(げい)ありと。


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