論語、素読会

南容白圭を三復す|「論語」先進第十一05

南容は詩経の白圭の句を繰り返し口ずさんでいた。孔子は兄の子を嫁がせた。|「論語」先進第十一05

【現代に活かす論語】
器の傷は磨けばよいが、ことばの傷はどうにもならない。とくり返し忘れないようにしたいものです。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討
08:00「郷党第十」前半1 – 16 素読
2023.01.24収録

【解釈】

南容(なんよう) … 姓は「南宮」(なんきゅう)、名は括・适(かつ)または縚・韜(とう)、字は子容(しよう)。南容は南宮子容の略。孔子の門人。

「白圭」(はくけい)は「詩経」の大雅抑篇の一節。

質爾人民 謹爾侯度 用戒不虞
愼爾出話 敬爾威儀 無不柔嘉
白圭之玷 尚可磨也
斯言之玷 不可爲也

爾(なんじ)の人民を質(さだ)め 爾の侯度(こうど)を謹ませ
用て不虞に戒(そな)へよ 爾の出話(しゅっくわい)を愼み
爾の威儀を敬(つつし)み 柔嘉(じゅうか)ならざる無かれ
白圭の玷(か)くるは 尚ほ磨くべし
斯の言の玷くるは 爲(おさ)むべからず

そなたの民を治め、そなたの軍の警戒を強め防御を固め、不足の事態に備えよ。乱暴なことばを慎み、威儀を敬い、(ことばや威儀を)善くせよ。白く清らかな玉の礼器の欠けたものは、磨けばよい。(だが)ことばの至らぬものはどうにもならぬ。

「詩経 下 新釈漢文大系」石川忠久 著(明治書院 刊)
南容白圭を三復す。孔子其の兄の子を以て之に妻す。|「論語」先進第十一05
南容三復白圭。孔子以其兄之子妻之。

「三復」(さんぷく)は同じことをくり返す。「妻」(めあわす)は嫁がせる。

南容は詩経の白圭の句を繰り返し口ずさんでいた。孔子は兄の子を嫁がせた。

【解説】

「白圭の傷は磨けばよいが、ことばで傷つけたことはどうにもならない」という「詩経」の一節をくり返し口ずさむ弟子を、姪の結婚相手に推したという章句です。孔子の門下では「詩経」を暗誦することは必須であると伝えられており、論語の章句でも度々引用されます。これは孔子が詩経に学ぶ南容の人柄に信頼を寄せたということを表した章句で、「詩経」の重要性を孔子の門下に示しています。


「論語」参考文献|論語、素読会
先進第十一04< | >先進第十一06


【原文・白文】
 南容三復白圭。孔子以其兄之子妻之。

(南容白圭を三復す。孔子其の兄の子を以て之に妻す。)
【読み下し文】
 南容(なんよう)白圭(はくけい)を三復(さんぷく)す。孔子(こうし)其(そ)の兄(あに)の子(こ)を以(もっ)て之(これ)に妻(めあわ)す。


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