論語、素読会

述べて作らず。信じて古を好む|「論語」述而第七01

【原文】
 子曰、述而不作。信而好古。窃比於我老彭。
<子曰、述而不作。信而好古。竊比於我老彭。>

(子曰わく、述べて作らず。信じて古を好む。窃に我が老彭に比す。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、述(の)べて作(つく)らず。信(しん)じて古(いにしえ)を好(この)む。窃(ひそか)に我(わ)が老彭(ろうほう)に比(ひ)す。


老彭(ろうほう) … 殷の賢大夫。好んで古辞(こじ・昔の言葉)を述べた。

【解釈】

子曰、述而不作。信而好古。窃比於我老彭。

「述」(のべる)は古(いにしえ)の教えを伝えること。「作」(つくる)は創作する。「信」(しん)は信念を持つこと。「古」(いにしえ)は先人の道。「窃」(ひそかに)はこっそり、ひそかに。「比」(ひす)はなぞらえる。
孔先生がおっしゃった、私は古くから伝わる教えを述べているのであって、新しく作り出しているのではない。先人の教えを信じ、先人の道を好んでいる。老彭は好んで古い言葉を伝えたというが、私はひそかに老彭のようになろうと思っている。


【解説】

先人の教えを伝えているのであって、新説を説いているのではないという孔子のことばは、今現代において我々が論語の章句を広く紹介している心根と重なります。孔子のすばらしさは先人の教えとして学ぶだけでなく、その実践を通して弟子たちの心の中で昇華させていったことだと思います。そして現代においては論語を信じ、実践を心がけて孔子の姿になぞらえていくことも、習うことの楽しみなのではないかと思うのです。


「論語」参考文献|論語、素読会
雍也第六28< | >述而第七02


【現代に活かす論語】
昨日今日思いついたことを伝えているのではありません。古くから言い伝えられている教えを信じ、先人が進んできた道理を好んでいるのです。