論語、素読会

倦むこと無かれ|「論語」子路第十三01

子路が政治について尋ねた。孔先生がおっしゃった、人民を導いて、人民をねぎらうことだと。(子路)はもう少し理解を助けてくださいと頼んだ。孔先生がおっしゃった、飽きないでやることだよと。|「論語」子路第十三01

【現代に活かす論語】
政治とは、人民を導いて、労うことです。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討

06:20「子路第十三」前半01 – 15 素読
2023.07.21収録

【解釈】

子路(しろ) … 季路(きろ)由(ゆう)仲由(ちゅうゆう)。姓は仲(ちゅう)、名は由(ゆう)、字は子路(しろ)・季路(きろ)。孔子より九歳若い。「論語」の登場人物|論語、素読会

子路政を問う。子曰わく、之に先んじ、之を労う。益を請う。曰わく、倦むこと無かれ。|「論語」子路第十三01
子路問政。子曰、先之、労之。請益。曰、無倦。

「先」(さきんず)は導く。「益」(えき)は援助する、たすける。「倦」(うむ)は飽きる、おこたる。

子路が政治について尋ねた。孔先生がおっしゃった、人民を導いて、人民をねぎらうことだと。(子路)はもう少し理解を助けてくださいと頼んだ。孔先生がおっしゃった、飽きないでやることだよと。

【解説】

「之」は何を指しているかという点ですが、「之を労う」ということから、人民と考えます。「益を請う」は「益」のますます、もう少しという意味を踏まえて、子路の理解が進まないという状況が浮かんできます。それにしても飽きずにやることとはどういう意味でしょうか。人民を導びきつつ労うという作業はなかなか結果が現れにくいことから、急がずに基本的なことを続けることだということを伝えたのでしょう。孔子は子路が理解できると思ったのか、もしくは少しずつでいいから理解していきなさいという意図だったのか、子路が期待する回答ではなかったかも知れません。子路は理解できたのでしょうか。


「論語」参考文献|論語、素読会
顔淵第十二24< | >子路第十三02


【原文・白文】
 子路問政。子曰、先之、労之。請益。曰、無倦。
<子路問政。子曰、先之、勞之。請益。曰、無倦。>

(子路政を問う。子曰わく、之に先んじ、之を労う。益を請う。曰わく、倦むこと無かれ。)
【読み下し文】
 子路(しろ)政(まつりごと)を問(と)う。子(し)曰(のたま)わく、之(これ)に先(さき)んじ、之(これ)を労(ねぎら)う。益(えき)を請(こ)う。曰(のたま)わく、倦(う)むこと無(な)かれ。


「論語」参考文献|論語、素読会
顔淵第十二24< | >子路第十三02


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