論語、素読会

書に云う、孝なるかな惟れ孝、兄弟に友に、有政に施す|「論語」為政第二21

【原文】
 或謂孔子曰、子奚不為政。子曰、書云、孝于惟孝、友于兄弟、施於有政。是亦為政。奚其為為政。
<或謂孔子曰、子奚不爲政。子曰、書云、孝乎惟孝、友于兄弟、施於有政。是亦爲政。奚其爲爲政。>
(或ひと孔子に謂いて曰わく、子奚ぞ政を為さざる。子曰わく、書に云う、孝なるかな惟れ孝、兄弟に友に、有政に施す。是れも亦た政を為すなり。奚ぞ其れ政を為すことを為さん。)

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07:10​ 「為政第二」01-24 素読
2021.3.29収録


【解釈】

或謂孔子曰、子奚不為政。

「子」は先生。「奚」(なんぞ)は何と同じ。「政」は政治のこと。
ある人が孔子に尋ねました。先生はなぜ政治に直接携わらないのですか?

子曰、書云、孝于惟孝、友于兄弟、施於有政。

「書」とは書経のこと。「孝」とは孝行。親に素直な様子。ここでは「孝」を重ねて強調している。『孝』とは?|論語、素読会 「友」は兄弟の仲睦まじいこと。「施」(ほどこす)は及ぼすの意。
孔先生がおっしゃった、書経には「大切なのは孝行、親に素直で、兄弟は仲睦まじければ、政治を為すこと(政治に影響を及ぼすこと)である。

是亦為政也。奚其為為政。

「為」を重ねて、最初の「為」はわざわざの意。
これ(家庭内での生活をよくすること)もまた政治を為すことだ。どうしてわざわざ国の政治に携わる必要があるだろうか。


【解説】

孔子の教えの根本では、人の上に立つものは父母を敬い、兄に従順であること、外では年長者の言葉を聞くことを求めています。
この章句でも、時の政治から距離をおく孔子の姿に対する姿勢として、家庭の安寧こそが政治に直結すると説いて、自らの思想を伝えていると思います。


「論語」参考文献|論語、素読会
「論語」為政第二20< | >為政第二22


【現代に活かす論語】
親に素直で兄弟仲睦まじくする。家庭環境を整えることがすなわち政治(の始まり)である。