今朝、『瀧野川女子学園のキセキ』が届きました。
SBI大学院大学でマーケティング&ブランディング、ブランディング&アドバタイジングの授業を担当する、カーリーこと刈谷裕子講師による一冊。
瀧野川女子学園の先生方には、一緒にブランディングを学んだ方もおり、折々でカーリーからも瀧野川女子学園の話を、実例として紹介していただいていたので、大変興味がありました。
瀧野川女子学園がカーリーの手を借りて、自力で学園のブランディングを行っていく様子は、臨場感というかスピード感たっぷりで、合間合間にブランディングの手法を挟んでいるのにも関わらず、テンポを失わない構成になっていました。
ポイントは、瀧野川女子学園に元々内在していたポテンシャル、教師陣の能力や創業時の哲学が根底にあり、表層的な取って付けたブランディングを行わなかったこと。作者のカーリーの本業はクリエイティブであり、ブランディングは学校関係者・教師そして在校生や卒業生の意見の集積である点です。
自分たちが感じていることだからこそ、納得がいく。
ここには、そんな関係者の本音が隠れています。
プライベートブランディングの進化の様子も、プライベートブランディングがこれからも進化して行くであろうという期待感も味わうことができて高揚しました。
ただ、プライベートブランディングに少しでも興味をもってもらえるようにと、丁寧に解説されていますが、この本を読んだからといって、ブランディングができるようになる訳ではありません。しかし、ブランディングとは本来、作り手側から発せられるものであり、納得したブランディングは働いている者の精神に多大な影響を与えるという、例えばヨーロッパの老舗ブランドでは当たり前のブランディングが、この本で語られていることに注目すべきだと思います。
私は、様々なブランディングをこのように書籍化し紹介していくことで、ブランディングの本来の目的やそれによって作り上げられたブランドの力について、カーリーが新しい言葉で語ってくれる様になるのではないかと予見します。またそれを望んでいます。