論語、素読会

天徳を予に生せり|「論語」述而第七22

【原文】
 子曰、天生徳於予。桓魋其如予何。

(子曰わく、天德を予に生せり。桓魋其れ予を如何にせん。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、天(てん)徳(とく)を予(われ)に生(な)せり。桓魋(かんたい)其(そ)れ予(われ)を如何(いか)にせん。


桓魋(かんたい) … 姓は向(しょう)、名は魋(たい)。桓公の子孫なので、桓魋ともいう。

孔子が宋の国で、門人たちと大樹の下で礼を習っていた時、桓魋は孔子を殺そうとして大樹を引き倒した。心配する門人に向かって孔子は「天から使命を授かっているこの私を、桓魋ごときがどうすることもできない」と、その信念を語った。前495年または前492年のことをいう。

論語と孔子の事典 江連 隆著 大修館書店刊

【解釈】

子曰、天生徳於予。桓魋其如予何。

 「天」(てん)はこの場合、天にいる神。「徳」は生まれながらにしてひとが積み重ねていく善い行い、そしてそれを行う能力。『徳』とは?|論語、素読会 「予」(われ)は我。
孔先生がおっしゃった、天の神は私に徳性を重ねる能力を授けた。桓魋が私をどうすることができるのか。


【解説】

この章句の「天」とは、五十にして天命を知るの「天」と同じと考えます。自分が生きる上で使命を与える存在、心の中にいて畏敬の念を持つ存在だと思います。
桓魋は孔子を殺そうとしたといいます。心配した弟子たちが孔子に宋の国から立ち去ろうと進言した際に発した言葉だと伝わっています。


「論語」参考文献|論語、素読会
述而第七21< | >述而第七23


【現代に活かす論語】
善い行いを重ねることやそれを続ける能力は、誰も奪うことができない。