論語、素読会

仁者は仁に安んじ、知者は仁を利す|「論語」里仁第四02

孔先生がおっしゃった、仁徳がない者は、久しく逆境にいることができない。長く幸福を楽しむことはできない。仁徳がある者は安定して安らかに仁を実践し、知者は仁の価値を知ってそれを実践する。|「論語」里仁第四02

【現代に活かす論語】
ひとを思いやる心がない人は、逆境に弱く平らかな時間も続かない。思いやる心を持っていれば、安らかに思いやりの中で過ごすことができる。思いやりを知っていればそれを実践することができる。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00 章句の検討 里仁第四02
06:50 章句の検討 里仁第四03
13:30 「里仁第四」01-26 素読
2021.5.12収録

【解釈】

子曰わく、不仁者は、以て久しく約に処るべからず。以て長く楽に処るべからず。仁者は仁に安んじ、知者は仁を利す。|「論語」里仁第四02
子曰、不仁者、不可以久処約。不可以長処楽。仁者安仁、知者利仁。

「不仁」(ふじん)は、仁徳がない。「約」(やく)は財政上・境遇上の窮乏。「楽」(らく)は物質的な幸福。「仁」(じん)は人間が生まれながらにして目指すべき徳性。『仁』とは?|論語、素読会 「知」(ちしゃ)は知恵のある者。『知』とは?|論語、素読会

孔先生がおっしゃった、仁徳がない者は、久しく逆境にいることができない。長く幸福を楽しむことはできない。仁徳がある者は安定して安らかに仁を実践し、知者は仁の価値を知ってそれを実践する。

【解説】

仁徳を実践しないひとは逆境に耐えられず、幸福な期間が長く続かないといいます。そして仁者と知者の違いは、仁者は安らかであるという点、知者は価値を知り実践するとしていて、不仁者は仁者に、知者が仁者になることを促しています。


「論語」参考文献|論語、素読会
里仁第四01< | >里仁第四03


【原文・白文】
 子曰、不仁者、不可以久処約。不可以長処楽。仁者安仁、知者利仁。
<子曰、不仁者、不可以久處約。不可以長處樂。仁者安仁、知者利仁。>

(子曰わく、不仁者は、以て久しく約に処るべからず。以て長く楽に処るべからず。仁者は仁に安んじ、知者は仁を利す。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、不仁者(ふじんしゃ)は、以(もっ)て久(ひさ)しく約(やく)に処(お)るべからず。以(もっ)て長(なが)く楽(らく)に処(お)るべからず。仁者(じんしゃ)は仁(じん)に安(やす)んじ、知者(ちしゃ)は仁(じん)を利(り)す。


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